「谷繁後」の正捕手確立が長年の課題となっている中日。それでも潜在能力を感じさせる個性派が台頭しており、レギュラー争いの中で、それぞれがレベルアップを画策している。 
加藤は強肩だけでなく、すべての面でアピールする
激しい競争は続く
春季キャンプが始まる前、
伊東勤ヘッドコーチはこう断言した。「まだ捕手にレギュラー選手はいない」。現役時代、
西武の黄金期に正捕手を務めた男が、捕手陣に注ぐ目は人一倍厳しい。それに直面にしたのが、昨季最も多く先発マスクをかぶった大卒6年目の
加藤匠馬だった。
伊東ヘッドは就任した2018年オフ、秋季キャンプを終えると「甲斐(
甲斐拓也、
ソフトバンク)の肩が目立っているけど、匹敵するくらいの選手がいた」とつぶやいた。それが同年に一軍試合出場ゼロの加藤だった。その期待に応えるように、過去3年で一軍試合出場5試合にとどまっていた無名の存在から、92試合出場と劇的な飛躍を遂げた。
伊東ヘッドの厳しい言葉は期待の裏返しなのだろう。オープン戦初戦となった2月22日の
阪神戦(北谷)、先発マスクをかぶった加藤が3投手をリードして6失点を喫すると、「覇気がない。自分を見つめ直してほしい」と無期限二軍降格を通達した。
二軍では気持ちを入れ直し、とにかく元気を出して猛アピールしたという加藤は・・・
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