新型コロナウイルスの感染拡大を受け、社会人野球の全国規模の公式戦は都市対抗に限られる。ドラフトの対象選手は予選で存在感を示す。 取材・文=岡本朋祐、写真=大賀章好 
バランスの良い投球フォームから、キレのあるストレートを投げ込む
各メディアに「都立の星」の見出しが躍った。雪谷高出身で入団6年目の
オリックス・
鈴木優が7月1日の
西武戦(メットライフ)で、プロ初勝利。同級生の活躍に刺激を受けたのは、6年前に比較されることが多かったもう一人の「都立の星」である。
「あの年は、東東京では鈴木優をはじめ、帝京高の清水(
清水昇、国学院大-
ヤクルト)、西東京にも東海大菅生高・高橋(
高橋優貴、八戸学院大-
巨人)と、好投手が多かった。自分はそこまでの存在ではなかったと思います」
小山台高、中大を経て2020年、ドラフト解禁を迎える入社2年目の三菱日立パワーシステムズ・
伊藤優輔。当時144キロ右腕は14年春、21世紀枠でセンバツに初出場した。都立勢として初となる春の甲子園も、履正社高(大阪)との1回戦で敗退(0対11)し、全国レベルの洗礼を浴びている。
「よくあるケースですが、一瞬で終わりました。あの甲子園があったからこそ、大学でも野球を続けられましたし、社会人でプロに挑戦できる立場になってきたと思っています」
中大では1年春から登板。しかし、3年春に打球を受けて、左膝蓋骨を骨折するアクシデントに見舞われた。同秋のシーズンを棒に振り、4年春に復帰し自己最速150キロを計測。東都大学リーグで通算8勝(13敗)を挙げたが・・・
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