開幕から4連勝でスタートダッシュに成功し、一時、ヤクルトに首位の座を明け渡したものの(7月12日から2日間のみ)、以降、快調に勝ち星を積み重ねている。連敗も4つが最大で、すかさず連勝でその穴を埋めるなど、8月16日終了時点で貯金は12球団唯一の2ケタ「10」。ここでは序盤戦の巨人の強さのワケを探るとともに、中盤戦以降の戦いを占なっていこう。 文=福島定一(スポーツライター) 構成=編集部 写真=BBM
※記録は8月16日現在 
必要なときに打点を挙げるのが四番の仕事。今季の岡本和真は欲しいときに打点を稼ぐ頼もしい存在に
四番・岡本和真の存在
序盤戦の戦いを振り返る上で、岡本和真の存在を無視することはできない。8月に入り率を落としてはいるものの、開幕から四番を張り続け、8月16日終了時点で打率.268、16本塁打、42打点。本塁打はリーグトップ、打点は2位だ。昨季までは「たまたまです」と素っ気なく、謙そんするコメントが多かったが、今季は「強く意識して向かいました」と話す内容にも変化が見える。自覚、自信。どちらかではなく、どちらもから来ているのだろう。打線の核がどっしりと構えていることで、打順も組みやすい。
原辰徳監督も「安定して、いいところで打ってくれています」と若武者への信頼は厚い。指揮官は卓越した眼力を使い、頻繁に打線を組み合えるが、それも軸である四番が常に定まっているからこそなせる業。昨年はシーズン10度の決勝打も、今季は7月中に6度を数えるなど段違いの勝負強さを示している(表1参照)。
とはいえ打線全体は決して安泰ではなかった。何といっても開幕直前の
坂本勇人の離脱は、不安材料だったと言える。6月2日のPCR検査で微量ながらも新型コロナウイルスの陽性反応が出たため、
大城卓三とともに東京都内の医療施設に入院した。退院は開幕から1週間前の6月12日。「1日でも早く試合に戻ることだけを考えています。ファンの皆さんにいいプレーをお見せできるよう全力で頑張る」と決意を示した主将だったが・・・
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