いまや球界トップクラスの安定感を誇るキューバ人セットアッパーとなったモイネロ。防御率1.45、奪三振率は驚異の16.84(8月30日現在)。来日4年でいろいろな経験を積み、存在価値が増し続ける左腕は、お立ち台などではお茶目な一面を見せつつ、勝利につながる投球のために日々の準備を怠らない。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭 
4年目の今季、難しい状況の中でも前を向き、しっかりと自分の役割を全うしている
“晴れ”を探して前向きに
2017年シーズン途中、入団したときは育成選手だった。しかし、すぐに頭角を現し、3週間あまりで支配下昇格。その後も著しい成長スピードで、リリーフの一角としてチームに欠かせない存在になった。今季は8回を担い、抜群の安定感で抑えの森唯斗にバトンを渡す。最速158キロの速球と簡単にとらえることができないカーブをはじめとした変化球で打者を牛耳る貫録十分なマウンドさばきは、今年で25歳とはとても思えない。 今年は3月に東京五輪のアメリカ大陸予選が予定されていたり(※結局、中止)、新型コロナウイルスの影響でシーズン開幕が遅れたりと、準備という面では確かに難しい部分があった。特に自粛期間中、球場で練習できる日とできない日があって練習の量が増えたり減ったりして、自分の意図しないところで波ができてしまったので調整が大変だったんだ。
そんな状況だったけど、難しいことばかり考えていても仕方がない。キューバでも「台風(ハリケーン)の中には必ず目があって、目の中にはしっかり晴れがある」と言われていて、だからそういった“晴れた部分”を探そうと思って。しっかり前を向いてやってこられているのが、好調の要因かなと思うよ。
あとは、今年に関しては・・・
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