「キング」という称号にふさわしい数々の記録、タイトルを獲得してきた助っ人クローザー。栄光から一転、ここ数年ケガで苦しみ続ける右腕は、本当にこのまま引退してしまうのだろうか……。 文=田尻耕太郎(スポーツライター)、写真=佐藤真一、BBM 
一軍のマウンドを目指して、2020年は2月の春季キャンプにも初日から参加。ブルペンでも精力的に投げ込みを行い、調整は順調かと思われたが……
日本のおかげ
暫時(ざんじ)の気の迷いだったのか、それとも揺るぎない決意なのか――。
確かなのは
デニス・サファテの告白が突然で、その内容があまりに衝撃的だったという事実だ。手術歴のある右股関節の検査のため8月7日にアメリカへ帰国してまもなく、自身のフェイスブックに「私にとって、最後の試合はすでに終えた」と現役引退を示唆する投稿をしたのだ。
同箇所にメスを入れたのが2018年4月。大変な手術だったが、復帰を目指して長いリハビリに努めてきた。昨年、さらに今年もオープン戦では登板を果たした。だが、われわれが期待するサファテの球ではなかった。その苦しみや悔しさは、彼自身が誰より痛感していたはずだ。
その後、自主練習期間中に家庭の事情により一時アメリカに戻っていたが、向こうでトレーニングはばっちり行っていた。証明するように再来日してから7月4日にチームに合流すると、すぐにブルペン投球を行い元気なところをアピール。だが、その矢先、右股間節痛を再発したという。日常生活にも支障が出るほどの痛みを伴うようになっていた。
ただ一方で・・・
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