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タイトル奪取に挑む男たち

浅村栄斗vs中田翔 タイトル奪取に挑む男たち【パ・リーグ編】

 

今季、新型コロナ禍の影響で120試合に短縮された。それでも各部門のタイトル争いは想像以上のハイレベルだ。ここでは、ライバル同士のし烈な戦いや、過去の偉業を達成した選手に挑む男たちに迫る。
※成績はすべて9月27日現在

2007年山崎武司に挑む 楽天・浅村栄斗 レジェンド超えのハイペース


楽天浅村栄斗内野手/写真=井沢雄一郎


 楽天の“レジェンド”山崎武司以来、球団2人目となる本塁打王&打点王の2冠獲得へ。移籍2年目の今季は、スタートダッシュがすさまじかった。開幕15試合目までに放った7本塁打のうち、実に6発が決勝打となった。最大2.5ゲーム差ながら序盤に首位をキープできた要因は、浅村栄斗の好調さにほかならない。

 ただ、量産態勢も次第に落ちていく。ライバルとなる日本ハム中田翔と比較すると、7月までは13本塁打と1本差でリードしていたが、8月に入ると当たりが止まる。8月4日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)で14号を放つも、次の15号までは8試合の空白。この間にトップの座を中田に明け渡した。ペースで見ると、浅村の10号到達は22試合目で、中田が32試合目。だが20号になると、66試合目の浅村に対し、中田が55試合目と完全に立ち場が入れ替わった。

 だが、9月最初の2発が再加速への号砲となる。4日のオリックス戦(楽天生命パーク)で、相手エース・山岡泰輔から放った同点弾(19号ソロ)と勝ち越し弾(20号ソロ)。2発目は自身通算200号目のメモリアル弾で、実に1カ月ぶりの決勝打に。1試合3本塁打7打点の荒稼ぎもあり打点王レースでもトップに肉薄。9月は10本塁打で、2007年5月に山崎が樹立した球団の日本人月間最多12本塁打にも接近した。

楽天・山崎武司


 ここまで山崎の3.35試合を上回る2.96試合に1本のペースで本塁打を放ち、1試合換算の打点も0.75点の山崎を上回る1.04点。上位をうかがうチームの命運を握っているのはやはり、浅村のバットだ。


2006年小笠原道大に挑む 日本ハム・中田翔 高校の後輩には負けられない!


日本ハム・中田翔内野手/写真=高原由佳


 名門・大阪桐蔭高で一、二塁コンビを組んでいた浅村栄斗。同じ右のスラッガーとして「あいつはホントにすごい。自分も負けずにやっていく」と1つ下の後輩の力を認めながらも、胸にはメラメラと熱い闘志が宿っている。9月27日時点で本塁打は浅村が1本リード(28本)、打点は中田が3点上(89打点)と両部門のタイトル争いはデッドヒートの様相を呈してきた。過去に打点王は両者とも複数回手にしているが、意外にも本塁打王はなし。中田の自己最多は2015年シーズンの30本が最高であり、キャリアハイの更新、さらには打点王の2冠獲得の期待も懸かる。

 好調の要因は本人が「今年の自分はレベチ(レベルが違う)」と評する新たな打撃フォームと意識改革にある。詳細は「企業秘密」と明かしていないが、昨年までの右足と右ヒジを高く上げ、最初からワキを開けて構えていたフォームからオーソドックスな構えに変更。典型的な力に頼った引っ張りの多いプルヒッターだったが、今年は「7割から8割程度の力でバットのヘッドを利かせる意識」と体全体を使ってボールを捉える打撃を習得し、外角球もコースに逆らわずセンターから右方向中心に運ぶシーンも多い。

日本ハム・小笠原道大


 それでも「正直ほかの球場がうらやましい。広い札幌ドームで何本ホームランを損しているんだと考えるとちょっと悲しくなるよ」と漏らすことも。だが過去最高の状態をキープする「レベチな中田」であれば、そんな高き壁も越えられるはず。チームでは2006年の小笠原道大以来となる打撃2冠をつかみとる。
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