1980年代、巨人の誇るヒットメーカーは、セカンド守備の名手としても知られ、4回のゴールデン・グラブ賞に輝いている。指導者歴も長い篠塚氏に「二遊間の極意」について語ってもらった。 取材=井口英規 大事なのは決めつけないこと
──最初にお尋ねします。いい二遊間の条件は何だと思いますか。
「ダブルプレーがしっかり取れることでしょうね。守備のリズムがよくなるし、ベンチもよし! と盛り上がりますから。逆に、そういう雰囲気にならないと、なかなか取れなかったりもします」
──というと。
「一番は投手ですね。走者が出て、内野手がよし併殺! と思っているのに、いきなり高めのボールが2球くらい続くと、こっちのテンションが一気に下がる(笑)。低めならボールでもいいし、低めに投げようとして高めというのであれば仕方ないけど、まったく気にせず、ボンボン高めにいくと、いいことじゃありませんが、気が抜けてしまう。投手の気持ちって、後ろから見ていて内野手は分かるんですよ」
──状況次第ではありますが、併殺は常に狙っているんですか。
「一気に2つアウトが取れますしね。走者がいないときより、走者がいてダブルプレーが取れるシチュエーションのほうが気合が入りました」
──現役時代、ショートは河埜(
河埜和正)さんが長かったですよね。
「僕にとってはレギュラーに定着したときのショートだったんですが、最初は、あまり河埜さんに合わせようという感覚はなくて、自分だけの動きでやったケースが多かった。向こうも気をつかっていただき、合わせてくれたと思います。日が経つにつれ、こっちも合わせていかなければ、となってきました」
──ショートと呼吸が合う、合わないで守備の精度が違ってきますしね。逆に言えば、二遊間の若手選手にとっては相手との呼吸もレギュラーの条件の1つになってきそうですね。
「だから観察が大事なんです。相手のプレーから性格までね。併殺時で言えば・・・
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