
大毎、阪急、近鉄で優勝に導いた西本監督(写真は近鉄時代)
熱さなくしては務まらない仕事
「エネルギーをどんどん発散するんですよ。でも、使っても使っても絶(た)えることがない。むしろ貯まっていくというのかな」
次号で掲載を予定する取材の中で、
巨人OBの
定岡正二さんが「監督・
原辰徳」について語った言葉だ。「エネルギー」は「情熱」に言い換えてもいいかもしれない。
こんな言葉もある。
「野球の監督というのは情熱がなくなった人間がやるものではない」
2008年5月、突然の退任会見をした
オリックスのコリンズ監督の捨てセリフである。情熱というのは、あいまいな定義の言葉だが、修羅場の中でも前を向く力を指すものと言っていいだろう。つまりは名将の条件、いや、最低条件の1つと言える。勝って当たり前、負けたら酷評されるのが、監督。常に勝ち負けを一身に背負う心労はすさまじいものがあり、むしろ、情熱がなければ務まらないと言っていいかもしれない。
情熱派の監督と言えば、昭和の野球ファンが最初に思いつくのが、
西本幸雄監督だろう。リーグの頂点は8度。大毎、阪急、近鉄と、就任したすべてのチームで優勝しながら日本一は一度もなく、「悲運の名将」とも言われる。阪急、近鉄では下位に低迷するチームを引き受け・・・
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