セ・リーグを独走で連覇して臨んだ今シリーズは、昨年の屈辱を晴らすための戦いとなるはずだった。ところが現実は昨年に続いての4連敗。突きつけられたのは、むしろ昨年より高く大きくなったソフトバンクのカベだった。 日本シリーズ開幕戦、巨人の四番・岡本和真は1回に迎えた第1打席で千賀滉大の内角154キロストレートにバットを折られる(結果は捕邪飛)
【テーマ1】なぜ、再び4連敗を喫したのか?
第4戦から2日後の11月27日、
原辰徳監督は読売新聞東京本社を訪れ、山口寿一オーナーに今季の戦いを報告した。監督復帰2年目となった今季は、9月に球団の監督勝利数で歴代最多を更新(それ以前は
川上哲治監督の1066勝)するなど、開幕からほぼ独走状態で67勝45敗8分けと大きく勝ち越し、2位・
阪神に7.5ゲーム差をつけてセ・リーグ連覇(38度目のリーグ優勝)を達成。しかし、日本シリーズではソフトバンクに史上初の2年連続4連敗を喫し、「連覇したのは喜びでしたが、とにかく最後は悔しい思い。万全を期して日本シリーズでの戦いに挑んだわけですけど、すべてにおいてわれわれは劣っていたということ」と振り返っている。
リーグ優勝が決まったその瞬間から、日本一奪還に向けた並々ならぬ思いを口にし、相手が2年連続でソフトバンクに決まると「(昨年の4連敗は)忘れていません。昨年はセントラル・リーグを勝つというところで、日本シリーズへの準備というものが、教育が、できていなかったのかなというのも1つの反省。準備というのは昨年に比べたら選手個々、チームはできていると思います。スタートラインは昨年より今年のほうが高い位置からですから、そこは十分、選手たちにも伝えて、開幕を待つという状況」と自信をのぞかせていたが、フタを開けてみれば屈辱の結果が待っていた。昨年を含めれば対ソフトバンク8連敗となり、現実として突きつけられたのは、力の差を縮めるどころか、むしろ昨年よりさらに高く大きくなったソフトバンクのカベだった。圧倒的な力負けだったと言っていい。
もともとの戦力差がある中で、調整の失敗も明らか。ソフトバンクがシリーズ直前の11月14、15日とクライマックスシリーズ(CS)を
ロッテと戦い、しかもペナントレースも10月に12連勝、6連勝を含む月間22勝。チーム状態を右肩上がりにしてポストシーズンに臨んだのとは対照的に、巨人の終盤戦の戦いは10月の月間勝率が.417。あと1つ星を落としていれば3割台だった。Vに至る過程でもマジックを1ケタにしてから5連敗+引き分けで決定と状態は最悪。加えてセにはCSがなかったことから、V決定後は緊張感を欠いた戦いが続いた。
最大の敗因は探るとすれば・・・
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