現役選手22人という一大勢力を誇る明大野球部。10月26日のドラフトで入江大生がDeNAから1位指名を受けたことで、史上最長記録をさらに更新する11年連続ドラフト指名となった。好選手を輩出し続ける理由はどこにあるのか。同大OBで自身も1985年にドラフト1位でヤクルトに入団した広澤克実氏に真相を聞いた。 取材・構成=富田庸 写真=BBM 
2019年夏、長野・高森キャンプで選手を指導する広澤氏(右)。善波監督(中央)とは大学時代の同期だった
明治大学野球部 創部/1910(明治43)年
東京六大学リーグ優勝/40回
全日本大学野球選手権大会優勝/6回
明治神宮野球大会優勝/6回
先輩を見て育つ好循環は止まらず
11年連続ドラフト指名と聞いて思い出したのは、ゴルフのことです。女子ゴルフの宮里藍ちゃんが高校3年生のとき、アマチュアとしてプロの大会で初優勝し、その後、史上初の高校生プロゴルファーになりましたよね。その姿に感化された1998~99年生まれの世代が大きくなり「黄金世代」と呼ばれる活躍を見せています。また、男子ゴルフでは石川遼くんがその存在。身近にそういった存在がいれば「私も」「僕も」とモチベーションが高まります。
私の場合もそうでした。明大の2学年上に
石井雅博さんがいて、83年ドラフト3位で
巨人に入団しました。その前年、
平田勝男さんがドラフト2位で
阪神に指名された際には、プロなんて雲の上の世界でピンとこなかった。でも石井さんのときには「俺も頑張れば(プロに)行けるかも」と。活躍できるかどうかは別として、これだけやればプロに行けるということを肌で感じ、はっきりとした目標になりました。今の明大では、そのサイクルが途切れることなく続いているというわけです。
明大も亜大も練習量が多い大学で、私生活に関しても厳しく指導されます。その結果明大も亜大も練習量が多い大学で、私生活に関しても厳しく指導されます。その結果、卒業後にプロに進んだ選手では
佐野恵太がDeNAで、
糸原健斗が阪神で、
福田周平が
オリックスでキャプテンを経験しています。プロに行けず社会人野球に進んだ選手も、その所属先でキャプテンを任されることが多い。明大では前監督の善波達也が文武両道を厳しく説いていたことも大きいでしょう。
プロ野球選手を多く出していれば、いい選手が集まりやすいのは当然。われわれが在学中は・・・
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