巨人・原辰徳監督の言葉を借りるとすれば、背番号は「意味があって、格のあるもの」。ここでは選手の視点から背番号への思い、そして2021シーズンに迫っていこう。まずは昨季セ・リーグの打撃2冠に輝いた和製大砲。その成長は背番号変更が転機となっていた。 取材・構成=坂本匠 写真=小山真司 
背番号を25に変更後、伝統の巨人軍の四番に定着した岡本和真。背番号と同じ25歳となる主砲は、キャンプ中もバットを振り込み、レベルアップに余念がない
毎年キャリアハイ
読売ジャイアンツの背番号25と言えば、今でこそ昨季セ・リーグ打撃2冠の岡本和真のものとして広く認知されているが、新人年に与えられた38から変更した2018年当初、自身はその重みを痛感していたという。前任者はこの年限りでチームを退団し、NPB復帰を目指して活躍の場をBCL/栃木に求めた現一軍野手総合コーチの村田修一。横浜時代の07、08年に本塁打王を獲得した右のスラッガーで、岡本が幼いころから「あこがれた存在」。17年には自主トレで師事した、いわば師匠でもある。 ──新人年から背負った背番号38から25に変更し、4年目のシーズンを迎えます。25に対する思いは。
岡本 もう、愛着が湧いてきていますね。こうやって振り返ってみると、これまで38で3シーズン、25で3シーズンを過ごしてきて、まだ同じだけしか時間はたっていないんですけど、38よりも25のほうが長く着けているような、そんな感覚があります。
──25に変更となってから一軍に定着し、1年目に3割30本塁打100打点をクリア。そこから3年連続で30本塁打以上をマークし、昨季は本塁打と打点の2冠を獲得しています。
岡本 この番号になってから一軍でゲームに出られるようになった、ということもありますし、中身の濃さ、という意味でもそう感じるのではないかなと。僕にとっては転機になった番号なのかなと思っています。
──25を背負うことが決まったのが2017年のオフでした。それまで25を着けていた村田修一(現一軍野手総合コーチ)さんの退団(※その後、BCL/栃木へ移籍)があって、入団時から「あこがれていた」という、同じ三塁手で右の長距離砲の背番号を受け継ぐ形になりました。どんな思いでしたか。
岡本 そう言われることも多いのですが、(当時は)決して「受け継ぐ」という形ではなかったんですよ。そもそも僕は一軍で結果を残していたわけではないですし。契約更改のときに球団の方から言われて「そうなんや」と。ただ・・・
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