ここまでは虎の投手陣の充実ぶりを見てきたが、その投手陣を支えている猛虎打線も開幕から絶好調だ。チーム打率、本塁打、打点もリーグトップ。まさに勢いに乗っている。しかし、あまりスポットが当たらない部分で打線の意思が統一されている。それが犠牲心の上に成り立つ攻撃であり、首位快走の一因になっている。 ※成績は4月25日現在 
4月18日、ヤクルト戦の初回に、犠飛を放ち先制点を挙げた四番・大山。最低限の仕事ながら、その後大量得点の出発点となった
浸透した自己犠牲の打撃
ある意味、2021年猛虎打線の「精神世界」を象徴するシーンだった。
4月18日、ヤクルト戦(甲子園)の1回裏。一番・
近本光司、二番・
糸原健斗、三番・
ジェフリー・マルテの3安打でいきなり無死満塁の好機を迎える。誰の目にも押せ押せムード。流れのまま豪快に振り抜きたいところで、四番・
大山悠輔はエゴを排除した。
「3連打で回してくれた。自分もヒットを打ちたかったですけど……」
フルカウントからの8球目。ヤクルト先発・
小川泰弘の外角低めの真っすぐを逆らわずにミート。代名詞となりつつある強振のリスクを避け、右犠飛で確実に先制点をゲット。主将のフォア・ザ・チーム精神にも導かれ、打線はこの日、16安打10得点で乱打戦をモノにした。
首位を走る今季の虎打線は・・・
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