休養をプラスに転じた。今春のセンバツ準決勝では、右腕の違和感で途中降板。約40日間のノースロー期間に、体を鍛えグレードアップ。夏は甲子園に戻ることしか考えていない。 取材・文=岡本朋祐 写真=中京大中京高野球部 
グラウンドにある甲子園100勝の記念碑の前にて撮影。今春、同校は3勝を積み上げ、全国最多の136勝をマーク。今夏はさらに積み上げたい
マウンド上の躍動感に思わず引き込まれてしまう、典型的な力投派だ。
「投球の軸である、真っすぐを磨くこと。
藤川球児さん(元
阪神)のような、打者が分かっていても打てない、ストレートを追求しています。そこは、譲れないプライドです」
6月13日。
畔柳亨丞は東海大相模高(神奈川)との招待試合で、3回を無失点に抑え、自己最速に1キロに迫る150キロを計測。「調子のバロメーター」と語る最大の武器が大台を越えて「完全復活」を印象づけた。
アクシデントが起こったのは3月31日、明豊高(大分)とのセンバツ準決勝だった。畔柳は0対5の4回途中から救援。打者7人に対して5奪三振と力投を見せたものの、6回に三者三振を奪った際に右腕に力が入らなくなったという。変化球中心の配球で、明らかに異変が見られ、6回で降板。チームは中盤から追い上げたものの、4対5で惜敗した。
前年秋の段階で中京大中京高を率いる高橋源一郎監督は、ドラフト1位で指名された154キロ右腕・
高橋宏斗(現
中日)と畔柳を比較して、こう語っていた。
「スピード表示は宏斗のほうが上回っていますが、球質が違います。畔柳にはボールの強さがある」
つまり、高橋がキレなら、畔柳はパワー系である。小学生時代に水泳教室に通っていたことからの、肩関節の柔軟性が、伸びのあるボールを生んでいる。
今春のセンバツではスピンの利いた「火の玉ストレート」に加え・・・
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