4月4日に首位に立ってから約5カ月。投打がうまくかみ合い貯金「16」と、着実に勝ちを重ねている阪神。今季は例年以上に「つなぎ」の猛虎打線が出来上がった。今週号はその猛虎打線に焦点を当てる。最初は、球界にも新風を巻き起こし、猛虎打線に勢いを与えている黄金ルーキー・佐藤輝明のインタビューから始めよう。 取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM (成績は8月23日現在) 
打席に入るときから、構えまで新人とは思えない大物感の雰囲気を醸し出す佐藤輝
【2021成績】93試合95安打23本塁打59打点5盗塁、打率.274 (8月23日現在) まだ打てたんじゃないか
鋭いスイングで当たればどこまでも飛んでいく。強烈な打球音を発する黄金ルーキー。開幕スタメンをつかみ、首位阪神をけん引している。ただ、すさまじい本塁打を放ったかと思うと、新人記録となる131個の三振を喫するなど、新人として克服しなければいけない課題があるのも事実。プロとして初めて経験する毎日続いていく試合。その中で、いかにして自分の能力を引き出そうとしているのか──。 ──後半戦がスタートしました。前半戦の疲れは残っていませんか。
佐藤輝明(以下佐藤輝) オールスター前の時期あたりは、何か「疲れているなあ」という感じがあったのは事実ですが、今はもう大丈夫です。
──春季キャンプのときは「早く試合がしたい」と言っていましたが、実際に、シーズンに入り試合が続きました。日々同じような気持ちで臨めていますか。
佐藤輝 疲れを感じているな、と思ったときでも、実際に試合が始まってしまえば「体が重い」ということは言っていられないので……。ただ、そういう「重い」という意識もそこまで感じることなくプレーはしていました。
──「重いなあ」と感じたときは、朝起きたあとなどですか。
佐藤輝 どちらかと言うと、試合前の練習のときなどに感じることが多かったですね。その練習が終わって、さあ、これから試合だ、というときには重さはもう感じていませんでした。
──それは自分で何か対処法を考えながらやっているからでしょうか。
佐藤輝 練習の内容を少しずつ変えながらやってみたり、いろいろな方法を自分で探りながらやってきました。そして、毎日練習から試合へという流れの中で、自分で何かしら習慣を作っていきながら、試合に入っていっています。気持ちの面では、やはり試合になると、スイッチが勝手に入るので、そこは今までどおりでやっています。
──体が重いと感じたときは、トレーナーなどに相談しながらメニューを組んでもらったりしたのでしょうか。
佐藤輝 もちろん、そういう場合もありますが、どちらかと言うと、自分でいろいろ考えながら、調整していったことのほうが多いです。
──自分でそういう対処法が分かっているのはスゴイですね。
佐藤輝 そこまで自分のことを分かっているというわけではないのですが……初めてプロ野球という長いシーズンを過ごし、毎日やっていく中で、自分でもっとこうしたほうがいいかな、こうすると疲れが取れるかな、と思うことを試したりしている感じです。
──その中で、現在は23本塁打ですが、前半戦だけで20本塁打。チーム最多を記録しました。この数字に関して、満足していますか。
佐藤輝 20本塁打に関しては・・・
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