ヤクルトとオリックスの日本シリーズは過去に2度ある。古くはオリックスの前身・阪急時代の1978年(4勝3敗でヤクルトの日本一)、そして直近が26年前の95年だ。第2~4戦と3試合連続で延長戦にもつれ込むほどの白熱した展開。最終的に4勝1敗でヤクルトが制した激戦を振り返る。 
2年ぶりの日本一を決め、神宮の夜空を舞う野村克也監督
イチローの平常心奪う
1月に発生した
阪神・淡路大震災のあと、「がんばろうKOBE」を合言葉にドラマチックなリーグ優勝を果たしたこともあり、大多数の野球ファンがオリックスの日本一を期待した。チームには前年の94年にシーズン210安打の日本記録を作り、時代の寵児(ちょうじ)となった
イチローもいる。本拠地・グリーンスタジアム神戸での第1、2戦は、スタンドのほとんどをオリックスファンが埋め尽くし、第3戦以降の敵地・神宮球場でもヤクルトファンの数と遜色がないほど。風は完全にオリックスに吹いていた。
そんな風向きを強引に変えてみせたのがヤクルト・野村克也監督だろう。このシリーズはオリックス・
仰木彬監督との“策士対決”も大きな注目を集めるところとなったが、野村監督はシリーズ開幕前から“口撃”をスタート。そのほとんどがオリックス浮沈のカギを握ると考えられたイチローに対するもので・・・
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