いつの時代も野球少年たちは、一番遠くに飛ばし、一番速いボールを投げることにあこがれを抱くもの。2021年、後者に君臨したのが巨人のT.ビエイラだ。誰よりも速いボールを投げ、誰よりも長い期間、点を許さなかった男の軌跡 
T.ビエイラ「俺がNo.1や!」
■T.ビエイラの球種別2021年シーズン平均球速 記録更新を本人も予言日本球界は高速化進む
東京ドームがどよめいた。8月13日に行われた
中日対巨人(後半戦再開初戦)の9回一死、2点リードの状況でマウンドに立っていた巨人のクローザーで加入2年目のT.ビエイラが、打席に代打の
A.マルティネスを迎えた場面だ。フルカウントからの7球目。渾身のストレートはファウルとされたが、オーロラビジョンには2016年の
大谷翔平(当時
日本ハム)、21年の
コルニエル(
広島)が計測した165キロを1キロ上回る166キロが表示される。
日本球界最速記録を塗り替える1球に、SNSでは“ビエイラ”がトレンド入り。その直後、A.マルティネスを134キロのスライダーで三振に斬って取り、この回を抑えてセーブをマークした本人も「粘られていたし、勝負のカウントだったので力を入れたのは事実。まさかそこまで速いとは思わなかったし、最高にうれしいよ」と喜んだ。
記録更新への期待は、20年の入団時からささやかれていた。MLBで23試合の登板があったブラジル出身4人目の未知なるメジャー・リーガーは、キャリア最速が167キロであることが最大の売り文句。マリナーズ時代の16年、その傘下のチームで記録したものと思われるが・・・
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