2021年シーズン、自身10度目となる開幕投手を務めると、通算6勝目をマークした。3球団での開幕戦勝利は史上初の快挙だ。現役投手で「ミスター開幕」の称号が似合うのは、この右腕をおいてほかにいないだろう。この記録がいかにすごいものかを探っていきたい。 
3球団での開幕戦勝利は史上初。働く環境が変わっても、チームを勝利へ導くという仕事は変わらない
10度の開幕登板で実に9度のQS!
楽天・
涌井秀章が、球史に残る偉業を達成した。
西武、
ロッテ時代に続く3球団での開幕勝利。3球団で開幕投手を務めたのは、1リーグ制時代を含めると過去に2人いたが、いずれの球団でも勝利しているのは涌井のみである。
2021年シーズンは
日本ハムの若きエース・
上沢直之との投げ合いとなったが、キャリア17年目のベテラン右腕が貫録の投球を見せる。得点圏に走者を背負う場面もあったが、味方の好返球に助けられるなどして7回無失点。無事に白星を手にすることになった。
これまで10度の開幕戦の登板成績【表1】を見ていくと、6勝を挙げた結果はもちろんのこと、その内容も際立っていることが分かる。初めて開幕投手に指名されたのは西武時代の08年で、涌井は4年目の21歳。
オリックス・
金子千尋(現日本ハム)との投げ合いに1対2で敗れたものの、8回2失点と力投を見せた。開幕戦初勝利は翌09年のロッテ戦で、6回7安打2失点の粘投が実った。
注目されたのが11年の日本ハム戦、同級生である・・・
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