今季でプロ6年目、背番号1を背負って4年目となる。ルーキーイヤーから遊撃のポジションを守り続けているが、昨年はついに二軍降格という屈辱を味わった。立浪和義監督が就任し、チームは大きく変わりつつある。この選手もまた変化を恐れず、チャレンジを続けている。 取材・構成=牧野正 写真=榎本郁也 
打順に関しては「そんなことを言える立場ではないですし、試合に出場できれば何番でも構いません」と答えた
覚悟を決めて継続
遊撃での開幕スタメンを勝ち取り、チーム歴代ルーキー最多の149安打を放って新人王に輝いたのは、2017年のシーズンだった。昨年まで5年連続で規定打席に到達し、100安打以上を記録してきたものの、残してきた成績については本人もファンも納得していない。特に打撃では淡白な打席が目立つようになり、昨年はプロ5年目にして初めてファーム行きを宣告された。何かを変えていかなければならない──監督が交代してスタートした新体制。京田陽太の意気込みもまた半端ではない。 ──6年目の春季キャンプですが、立浪監督が就任したこともあり、これまでとはチームの雰囲気も違いますね。
京田 新体制ということで、いい緊張感の中でみんなやれていると思いますし、僕自身もそうです。個人的にも思いきり打撃フォームを変えて臨んでいるというか、取り組んでいます。そろそろちゃんとした成績を残さないと、もうあとがないので。
──早めに頭上高くまで振り上げて上からたたくようになりましたが、打撃を変えようと思った一番の理由は何ですか。
京田 昨年の春季キャンプで(立浪和義)監督が臨時コーチで来られて、そのときに悪い癖を指摘され、必死に取り組んでいたんですけど、なかなか直りませんでした。期待に応えられなかったんです。でも昨年の秋から新体制になったことで、自分の中で、今度こそ思いきってやり切ろうという気持ちになりました。
──悪い癖というのは「二度引き」のことですか。
京田 そうです。ボールが来ているのにさらに引いてしまう癖があって……それがあると速いボールにはどうしても差し込まれてしまいます。上から構えてそこからトップに入っていく形、そのほうが僕も一発でトップに入りやすいので、思いきってそうすることにしました。これまでは(二度引きで)タイミングを取るのが遅かったのですが、高く構えるためには早く準備をしないと投手の間合いが取れませんので、これで早くタイミングを取れるようになりました。
──打撃フォームを大きく変えることに不安はありませんでしたか。
京田 この5年の成績はレギュラーとしては物足りないので、大きく変えるにはいいきっかけだと思いますし、その必要性も感じていましたから。
──なかなか簡単ではないと思いますが、継続していけるかどうか。しかも結果を出しながら。
京田 もちろん結果も大事ですけど、それだけで判断していはいけないのかなとも思っています。監督からも「根気よく続けていくように」と言われていますし、シーズンを通してやっていかなければいけないことだと思います。
──昨年はプロ初となる二軍降格も経験しましたが、その悔しさも今季の原動力になっていますか。
京田 もちろん悔しい思いはしましたけど・・・
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