交流戦の打撃を、昨年までロッテのヘッドコーチを務めていた今岡真訪氏に分析してもらった。現場で感じていた交流戦の戦い方の移り変わりその傾向などを語ってもらった。 取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM 
相手投手のデータをしっかり頭に入れ、それを生かして、大山は交流戦7本塁打。この打撃でチームを2位に引き上げた
打線を固定しては戦わない時代へ
まずここ数年のプロ野球界の流れから言うと、「打線を固定する」という概念がなくなっている印象を受けます。これまでのようにラインアップを固定して使おうということも少なくなっているようです。
ほとんどのチームにはデータ班分析チーム(時には戦略室という名称のチームも)がおり、彼らが「この先発投手のときには」というデータを各打者に対して出してきます。それに合わせて首脳陣とデータ班が話し合い打順を組んでいくという流れが出来上がっています。よく打線を変えるなあ、と思われる方がいるかもしれませんが、その理由はこういうところにあるのです。
今日の先発投手は手強いけど、ある打者が相性はいいし、粘れるからこの打順に置こうというような、細かい分析を経た形で打順が決まっていきます。そこには球場のマウンドの高さ、その高さの場合の先発投手のリリースポイントの角度など本当に細かいすべての分析を経て打順を決めていくのです。
交流戦が始まって20年近く経過していますので、相手のデータの蓄積もかなりありますし、データ班がしっかりとすごい量のデータを分析してきます。私は昨年まで現場にいたので、余計に交流戦でデータの少ない相手と戦うという概念がなくなっているな、と肌感覚で感じていました。そういう細かいデータがないのはルーキーだけで、そこは苦労する要素の一つでした。2005年、交流戦が始まったときに私は現役選手でしたが、そのときは本当にデータがなくて困ったという思いはありますので、大きく時代が変化したな、と思いますね。
チーム戦力の中で得点力を上げている
その流れの中で、昨年も今年もセ・リーグがパ・リーグに勝ち越した(今季は55勝53敗)、ということですが、そこもやはりセ・リーグがうんぬんというよりも・・・
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