「一番・投手」。このアナウンスを聞くだけでワクワクしてくる。表の攻撃であれば、バットで主導権を握る。表が守りなら、投球でリズムをつかむ。投打で高いレベルで勝負できる。 取材・文=沢井史 写真=早浪章弘 
対応力と柔らかさにより、NPBスカウトからも好評価を得ている
魅力は逆方向への打球
西村瑠伊斗のポテンシャルは、最速147キロの本格派右腕の形容だけでは片づけられない。高校通算50本塁打の左のスラッガー、遠投120メートル、50メートル走6秒フラット。野手としても3つの要素がトップレベルにあり、京都外大西高・上羽功晃監督はこう評価する。
「今まで指導してきた中で一番、打てる選手です。本塁打数や打率で見ても、しっかり結果を残している。数字だけがすべてではないとは思いますが、マークされる中で、練習試合、公式戦で実績を残せているのも、非凡な打者であるからだと思います」
NPBスカウトからの評価も高い。特筆すべき点は、左打席から逆方向に飛ばせる打撃技術だ。某球団のスカウトによると、視察したある練習試合で放った安打はすべてセンターから左で「あそこまで逆方向にしっかり飛ばせるバットコントロール、タイミングの取り方のうまい打者はあまりいない」と舌を巻く。朝練習では毎日、300本がノルマでスイング力が磨かれた。昨夏の段階ではやや細身であり、力強さを感じさせなかったが、最上級生となり、明らかに体全体の厚みが増してきている。
「昨秋から食事の量を増やしました。朝昼晩の3食だけでなく、寝る前におにぎりを食べたり、食後にスイーツを食べたりして、体重が5kgアップ(75kg)しました。春先になって・・・
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