週刊ベースボールONLINE

ライオンズ黄金投手陣の秘密

<黄金時代の名捕手の視点>伊東勤(元西武) 「山賊打線」に“おんぶにだっこ”からの脱却 なぜ、西武投手陣は驚異のV字回復を果たしたのか?

 

現役時代は捕手として黄金時代の西武で強力投手陣をリードした伊東勤氏。指揮官としても西武、ロッテを率いて数々の修羅場を経験した。現在は野球解説者として活動しているが、確かな視点から西武投手陣が驚異のV字回復を果たした理由を解説してもらった。
写真=桜井ひとし ※記録は8月25日現在

2年目の水上ら救援陣の働きは大きい


 西武ライオンズの投手陣は昨季もリーグ最悪の防御率3.94に沈むなど近年、その整備に苦しんでいました。リーグ2連覇を果たした2018、19年もチーム防御率は最下位で、球史にも残るような「山賊打線」と呼ばれた強力打者陣に“おんぶにだっこ”状態の優勝でした。

 それが今季は一転、ここまでリーグ最高の防御率2.60をマークし、「打高投低」のチームカラーから完全に脱却しました。フリーエージェントなどで大きな補強をしたわけでもない中で、これほどまでに生まれ変わった事例は記憶になく、驚くしかありません。一体なぜ、西武投手陣は飛躍的に向上したのでしょうか。さまざまな角度から考察を加えていきたいと思います。

年齢近い救援陣が切磋琢磨


 最初に救援陣の充実ぶりを要因に挙げたいと思います。昨季途中に育成から支配下選手になった24歳の水上由伸投手は絶対的なセットアッパーに成長し、継投に安定感をもたらしました。夏場にやや疲れも見え始めましたが、8月24日まで防御率0点台をキープと素晴らしい数字を残していました。

 昨季、39試合連続無失点と驚異的な記録をマークした22歳の平良海馬投手は今季も開幕から好調で、8月に故障で離脱するまでブルペン陣の屋台骨を支えました。クローザーの34歳、増田達至投手は不振だった昨季から復活し、前半戦のチームの快進撃に貢献しました。さらに、先発から転向した29歳の本田圭佑投手、30歳の森脇亮介投手、26歳の宮川哲投手、25歳のボー・タカハシ投手、26歳の佐々木健投手も奮闘が光っています。

 こうして各投手の年齢を挙げてみると・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング