「バッテリーで勝つ試合を増やしたい」近年、森友哉が常に口にしていたことが、今季ようやく実現している。9年目を迎えた背番号10。紆余曲折を経ながら、正捕手として成長を果たしている。 文=山口史朗(朝日新聞) 写真=高原由佳 ※記録は8月28日現在 
投手と協力しながら、バッテリーで勝つ試合を増やしている森
「気持ちを入れかえて」「ホッとしました」
一つの過ちが、森友哉を人間として、また捕手として、大きく成長させた。3季ぶりの優勝へ向かうチームの中心には今、この27歳がいる。
「良い状態で一軍に上がることができました。気持ちを入れかえて、一生懸命やりたいと思います。チームメートから『おかえり』と言ってもらったときはホッとしました」
これは交流戦のスタートとなった5月24日の
中日戦(バンテリン)の試合前、球団広報を通じて送られてきた森のコメントだ。
「気持ちを入れかえて」「ホッとしました」――。そんな言葉から、普通の離脱とは少し違う事情があったことが垣間見える。
4月3日のことだった。前日まで普通に試合に出ていた森の登録抹消が発表された。理由は人さし指の骨折。球団や
辻発彦監督の説明によると、2日の試合後、ロッカーでマスクを投げた動作が起因して、骨折につながったという。
詳しい状況は分からないが、プレー中の避けられないケガではないことだけは明らかだった。辻監督はこの日、森についてこう語った。
「しっかり考え直さないと。チームとして許されることじゃないからね。(ケガが)治ったら、あいつ自身が野球観をしっかり変えて、またチームのために泥だらけになってくれるのを望むだけです」
果たして・・・
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