2022年10月20日のドラフト会議が終われば、スカウト戦線は23年へと移行する。プロを志望する選手は「1年後」を見据え、練習にもさらに力が入る。来年が解禁となる高校、大学、社会人の注目プレーヤーを、一足早く掲載していく。 取材・文=沢井史 写真=川本学 
新チームから背番号1。絶対的なエースとして、マウンドは絶対に譲らない
前田悠伍は昨秋、1年生ながらすでに“無双状態”にあった。公式戦では57回2/3で51奪三振、失点8(自責点5)、防御率0.78。ストレートと同じ腕の振りからカーブ、チェンジアップを投げ、相手打者を翻弄。1年秋の明治神宮大会決勝(対広陵高)では胴上げ投手となり、2年春のセンバツでは13イニングで失点1、自責点0(防御率0.00)。近江高との決勝では7回1失点と、貫録を見せていた。
1学年上には
川原嗣貴、
別所孝亮の両右腕がいたことも、後輩としては、思い切り投げ、マウンドに集中できた要因としてある。前田は下級生の段階で早くも「2023年ドラフトの目玉」と言われてきた。
最速は2年夏の府大会で計測した148キロ。今秋も140キロ中盤をコンスタントに計測するが、130キロ台のストレートでも空振りを奪える強弱は、高校生トップクラス。150キロの大台も直前だが「スピードは出したいですが、キレや伸びがなかったら150キロでも150キロとは感じないので、球速以上のキレと伸びは意識しています」と、球質へのこだわりが強い。力一辺倒ではなく、打者を見ながら間を取り、自らでギアを調整し、心身をコントロールできる。春、夏の甲子園を経験したこの1年で“駆け引き”にさらに磨きをかけた。あるNPBスカウトからは・・・
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