父は元プロ野球選手。DNAを継いだ野球センスを2022年に開花させた。高卒入社の社会人は3年目がドラフト解禁イヤー。2度目の運命の日まで、懸命にバットを振り続ける。 取材・文=岡本朋祐 写真=榎本郁也 昨年12月13日の社会人表彰では、韓国のアイドルグループ・BTSをイメージしたマッシュヘアで登壇。ベストナイン、最多本塁打賞、最多打点賞と充実の2年目を過ごした
度会隆輝がプロ野球選手になるのは、自身だけの思いではない。家族全員の夢でもある。度会が「尊敬する人物」と真っ先に挙げる父は、元
ヤクルトで内、外野を守るユーティリティープレーヤーとして活躍した
度会博文氏(東京ヤクルトスワローズベースボールアカデミーヘッドコーチ)だ。3歳上の兄・基輝さんは拓大紅陵高(千葉)、中央学院大を経て、22年から社会人企業チーム・JPアセット証券でプレーしている野球一家。度会は兄の影響により、3歳から白球を追いかけた。生まれつきは右利きだったが「打ちやすかったので、自然とそうなりました」と、兄と同じく左打席に立つようになった。
千葉県市川市内にある自宅での自主練習がスラッガー・度会の原点である。庭には打撃用ネットが設置。父の現役時代は、母・祥子さんがティーを上げていた。その合間には、兄弟の練習相手にもなっていた。
「母は毎晩、付き合ってくれました。父を含めて20年以上、ボールを上げてくれていました。父は右打者ですので右手で上げ、兄と自分は左打者なので、左手で上げるんです。中学時代にプレーしていた佐倉シニアのグラウンドに送迎してくれたのも母です。高校、社会人を通じてずっと、家族は自分を応援してくれています。家族にはドラフトでプロに入るだけでなく、超一流の選手になって恩返ししたい思いが強いです」
社会人のタイトルを総なめ
20年10月26日。プロ志望届を提出した度会は、ドラフト会議での指名漏れを経験している。横浜高では1年夏、2年春の甲子園出場。強打の二塁手で活躍したが・・・
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