過去には「マウンドに国旗」などの物議を醸した出来事があり、国際試合になると何かと「日本代表に勝つ」ことに執念を燃やしてくるのが韓国代表。なぜ彼らは、日本を意識し過ぎるほど意識しているのか。そのメンタリティーと今年の代表チームの戦力を、韓国野球に詳しい室井昌也氏が分析した。 文=室井昌也 
韓国代表の最大のスターは、プロ6年間の通算打率.342が歴代1位の李政厚。中日でも活躍した李鍾範の息子だ[写真提供=キウムヒーローズ]
負けたくないが嫌いではない
「
巨人には負けるな」
かつて
阪神をはじめとした、巨人以外の球団から聞かれた言葉だ。連覇に象徴されるような「強さ」と「人気」への反発として生まれた感情だろう。しかし、他球団の選手が巨人を「嫌い」だったかというと違う。フリーエージェント(FA)権を行使し、「憧(あこが)れの巨人入り」を果たした選手、また巨人のスター選手に近づくことを夢見ていた者も多い。
「負けたくないけど、嫌いではない敵、巨人」。韓国選手にとっての日本とはこの「巨人」と置き換えられる。
盛んな日韓の交流
「日本の選手のほうがレベルは上」
韓国の選手、指導者のほとんどがそう口にする。しかし代表戦で勝てない相手とは思っていない。韓国代表は2008年の北京オリンピックで9戦全勝し金メダルを獲得。日本には2度勝利し、敗れた日本は4位に終わった。また翌09年の第2回WBCでは5度対戦。決勝戦でも顔を合わせ韓国は準優勝と結果を残してきた。この十数年での変化だ。
日韓両国は歴史的な背景もあり「近くて遠い国」と言われているが・・・
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