第4回大会で念願の世界一に輝いたアメリカ代表だが、まだWBCに本気になれない側面がある。今回も参加表明していた通算197勝左腕のクレイトン・カーショー(ドジャース)の不参加が決定するなど、辞退者が相次いだ。なぜ、野球発祥の国なのにWBCと距離を取るのか。そして、彼らを本気にさせるためには何が必要なのか――。 文=奥田秀樹 写真=Getty Image 
第4回大会で初めてWBC王者に輝いたアメリカだが、今大会で完全なドリームチームを組んだとは言い難い
代表監督の弁解
今でも忘れられない雑誌の表紙がある。『スポーツイラストレイテッド』誌1991年2月18日号。ドリームチームの見出しで「世界よ見てくれ、これが92年バルセロナ五輪アメリカ代表の5人だ」と謳(うた)い、代表のユニフォームを着たNBAのスター、マイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソン、パトリック・
ユーイング、チャールズ・バークレー、カール・マローンの5人が微笑んでいた。
野球もワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でこれくらいやらないといけない。しかしながらアーロン・ジャッジ(ヤンキース)もジャスティン・バーランダー(メッツ)も出ない。特にひどいのは先発投手陣だ。2022年のサイ・ヤング賞投票で、上位を占めた投手は一人もいない。
ア・リーグはバーランダー、ディラン・シース(ホワイトソックス)、アレク・マノア(ブルージェイズ)、シェーン・マクラナハン(レイズ)、シェーン・ビーバー(ガーディアンズ)。ナ・リーグはマックス・フリード(ブレーブス)、アーロン・ノラ(フィリーズ)、ザック・ガレン(ダイヤモンドバックス)、カルロス・ロドン(ヤンキース)、コービン・バーンズ(ブリュワーズ)である。
なぜ、今が旬の投手が出場しないのか・・・
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