多くの感動をわれわれに与えてくれた侍ジャパン。それは手強い相手チームがいたからこそ。特に準決勝からは、メジャー・リーガーたちが立ちふさがった。その中で、メキシコ代表の左翼手のパフォーマンスは、日本人ファンの記憶に深く刻まれただろう。キューバから亡命し、レイズで大活躍。メキシコ代表という希有な人生を歩んできた。その男の人生に迫る。 文=村田洋輔(MLB.jp編集長) 写真=Getty Images 
アロザレーナと言えばこのポーズ。今では日本の野球ファンにも、認知されるまでになった!?
ボートで8時間かけメキシコに亡命
侍ジャパンが9回裏に逆転できず準決勝で敗退していたら、ランディ・アロザレーナは永遠に「侍ジャパンの天敵」として野球ファンの記憶に残っていたかもしれない。
腕組みの「ドヤ顔」を披露した5回裏の本塁打キャッチをはじめ、ここぞという場面で侍ジャパンの打者が放った打球はことごとくアロザレーナのグラブの中へ。投手交代時には試合中にもかかわらずサインに応じる余裕も見せ、侍ジャパンが同点に追いついた直後の8回表にはライトへの二塁打を放ち、次打者の勝ち越しタイムリーをお膳立てした。惜しくも準決勝敗退となったが、アロザレーナは満票で大会ベストナインに選出。記録にも記憶にも残る見事な活躍だった。
初めてベスト4進出を果たしたメキシコ代表。その躍進を不動のリードオフマンとしてけん引したアロザレーナの功績の大きさは計り知れない。大会後、アロザレーナは「本当に楽しかった。メキシコ代表としてプレーできたことを誇りに思う」と語った。
そもそもキューバ出身のアロザレーナはなぜメキシコ代表としてWBCに出場することになったのか・・・
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