交流戦の優勝チームを決めるために今年も熱い戦いが繰り広げられるが、交流戦の成績はリーグ内のペナントレースにも加算されるので、そのためにも交流戦ではなるべく勝っておいたほうがいいのは自明の理。実際のところ、影響はどのくらいあるのだろうか。18試合制となった2015年以降の結果を分析した。 文=落合修一 
昨年の交流戦で優勝したヤクルトは交流戦期間中にセ・リーグの2位以下のチームとのゲーム差を広げ、リーグ優勝へとつなげた[写真=湯浅芳昭]
交流戦優勝チームの「リーグV率」は?
交流戦が現行の18試合制になったのは2015年。15年以降の交流戦の優勝チームは順番に
ソフトバンク(15~17年)、ヤクルト、ソフトバンク、
オリックス、ヤクルトだった。延べ7球団のうち、その年にリーグ優勝もしたのは15、17年のソフトバンク、21年のオリックス、22年のヤクルトの4チーム。日本シリーズを制したのは15、17、19年のソフトバンクだけ。交流戦が18試合制になる前の05~14年の10年間でも、交流戦で優勝した10チーム中、その年にリーグ優勝したのは4チームのみ(05年の
ロッテ、07年の
日本ハム、11年のソフトバンク、14年の
巨人)だったので、試合数が減ったからリーグ戦への影響力が薄れたというわけでもなさそうだ。
合算すると、過去17年間の交流戦の優勝チームのうち、同じ年にリーグ優勝したのは8チームということになる。確率は半分以下。意外と少ないと感じる人が多いのではないだろうか。では、交流戦の結果はペナントレースと関係ないので気にしなくていいのかというと、決してそんなことはない。
普段は6球団ずつのリーグ内での対戦を繰り返し、その勝率で順位を決め、優勝を争うのがプロ野球。リーグ内の対戦で完結している限り、6球団の勝利数の合計と敗戦数の合計は等しく、6球団の平均勝率は必ず「5割ちょうど」。同一カード3連戦で3連勝すれば3ゲーム差が、2勝1敗なら1ゲーム差が縮まる。
それが大原則だが、年間18試合ずつ、もう一方のリーグの球団と対戦する交流戦があり、その結果はシーズンのペナントレースの成績にも組み込まれるのだから話はややこしくなる。いや、面白くなる。
「交流戦は苦手だから、交流戦の優勝はあきらめよう。その代わり、リーグ戦を頑張ろう」とチームとして思ったとしても、交流戦で負けが込むようでは、ペナントレースへの影響が出るのは否定できない。
普段のリーグ戦なら・・・
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