豊作と言われた今年のドラフト。1位指名は再抽選を含め7人が競合。球界の未来を背負うドラフト1位選手をピックアップする。 取材・文=矢崎良一 写真=高塩隆 
完成度の高い投球を誇る下村は、阪神が一本釣りに成功。狙うは新人王だ
ケガを乗り越えて目標のドライチに
阪神の1位指名で自分の名前が読み上げられた瞬間、青学大の
下村海翔は一瞬、驚いたような表情を浮かべた。「頭が真っ白になった」と振り返る。
ドラフト当日、
岡田彰布監督が下村の1位を表明したことが報道された。下村も記事を目にしていたが、突然の報道で、まだ半信半疑だった。だから「ドラフト自体はワクワクしていたのですが、まさか自分自身がそんなに早く指名されるとは考えていなかったんです」と言う。
冷静さを取り戻すとうれしさが込み上げてきた。高校は福岡県の九州国際大付高だが、出身は兵庫県西宮市。自宅から甲子園は自転車で行ける距離。子どものころから阪神戦や高校野球をよく観戦に行った。鉄人・
金本知憲のファンで当時の選手の応援歌もよく覚えている。「今まではずっと観客席だったので、あの甲子園のマウンドで投げられるのは楽しみですね」と胸を躍らせた。
大学では1年時から公式戦に登板し順調に滑り出したが、シーズンオフに長く痛みを抱えていた右肘をクリーニング手術。2年生のシーズンをリハビリに費やした。投げられない毎日。「復帰したら自分のイメージどおりに体を動かせるようにトレーニングで体を鍛えた」と言う。それが投球フォームの安定につながった。復活の手応えをつかんだのは・・・
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