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2023ドラフト総決算 ドラフト1位CLOSE-UP

【DeNA1位】度会隆輝(ENEOS/外野手) 夢をかなえた魅力あふれる社会人No.1スラッガー「『夢はあきらめなければ必ず叶う』という言葉を胸に刻んでやってきた」

 

豊作と言われた今年のドラフト。1位指名は再抽選を含め7人が競合。球界の未来を背負うドラフト1位選手をピックアップする。
取材・文=小林篤 写真=椛本結城

中日DeNAロッテが競合した末、DeNAが交渉権を獲得。3球団競合には「雲の上にいるような気分」と語った


指名漏れの屈辱から果たした成長


 何度も「うれしい」と声に出た。心の奥底からわき出る澄んだ言葉だった。

 前日に1位指名を公表した中日に、DeNA、ロッテも続く。抽選でガッツポーズを見せたのはDeNA・三浦大輔監督。運命の瞬間を見届けた度会隆輝は同席した大久保秀昭監督と目を合わせうなずくと、数秒後には、涙があふれ出した。3球団競合での1位指名。「雲の上の気持ち。手の平に電流が走りました」と独特な表現で喜びを口にした。

“社会人No.1野手”として迎えた運命の10月26日。1位指名という最高の評価で歓喜の瞬間を迎えたが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。ちょうど3年前の2020年10月26日、横浜高3年時も吉報を待った。少年時代から並外れた打撃センスを披露し、中学時代にはU-15の侍ジャパンにも選出された。横浜高でも1年春からベンチ入りし、春夏通算2度の甲子園出場。「自分なら大丈夫」と臨んだドラフト会議だったが、最後まで名前が読み上げられることはなく、指名漏れを味わっている。

 横浜高を卒業後は社会人野球の名門・ENEOSに入社。「走攻守で最強な選手になる」と誓い、3年後のプロ入りを目指した。「打撃力がズバ抜けていて、素質は感じていた」という大久保監督の言葉どおり、度会は1年目から右翼兼DHとして定位置をつかみ、都市対抗でも本塁打を記録。昨年の都市対抗では4本塁打、11打点、打率.429の活躍で9年ぶりの優勝をもたらした。走塁、守備でも成長を感じさせるが、一番の魅力は打撃。「打率も残せて、長打も打てて、大事なところでチームを勝たせるヒットを打てるのが長所」と自身の強みを口にする・・・

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