豊作と言われた今年のドラフト。1位指名は再抽選を含め7人が競合。球界の未来を背負うドラフト1位選手をピックアップする。 取材・文=小川誠志 写真=長岡洋幸 イニング数を大きく上回る奪三振
記者会見の会場には、重い空気が流れ始めていた。1巡目でも、外れ1巡目でも「
細野晴希」の名前は呼ばれなかったのだ。指名が始まって40分が過ぎようとしたとき、外れ外れ1巡目でついに
日本ハムが指名。その30秒後にロッテも細野を指名した。2球団による競合となり、日本ハム・
稲葉篤紀GMが交渉権を引き当てた。
「細野の『ほ』が早く流れてくれないかなあと思いながら待っていました。プロ野球選手は小さいころからの夢だったので、指名されてうれしいです」とホッとした表情を見せた。
最速158キロの速球がうなりを上げて捕手のミットに突き刺さる。この速球にカットボール、スプリット、ツーシームなど多彩な変化球を織り交ぜながら打者から三振を奪う。東都一部リーグ(1年秋、2年春、4年秋の3シーズン)で通算76回2/3を投げ84奪三振、同二部リーグ(2年秋、3年春秋、4年春の4シーズン)で通算154回2/3を投げ191奪三振と、イニング数を大きく上回る三振を奪ってきた。走者を背負ったときの一塁けん制のうまさも大きな武器だ。
東京・東亜学園高時代の最速は140キロだった。当時からスカウト注目の存在だったが・・・
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