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鍛錬の秋 新監督が率いるチームREPORT

<秋季キャンプレポート>ソフトバンク・一〜四軍が同じ方向を向いて。併せ持つ強さと美しさ

 

3年連続のV逸に感じる危機感。小久保裕紀新監督の下、かつての“誇り”を取り戻すために新たなスタートを切った。今秋はデータサイエンスも取り入れ、徹底的に課題と向き合う。
写真=湯浅芳昭、BBM
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【2023成績】71勝69敗3分(勝率.507)

『ドライブライン・ベースボール』による最先端のデータ解析には、選手だけでなく小久保新監督[右]も興味津々


組織としての一貫性


 ある意味、既定路線ではある。今季限りで藤本博史前監督の2年契約が満了。新監督には、かねてよりウワサのあった小久保裕紀二軍監督が“昇格”する形で就任した。それとともに行われた大規模な配置転換も、ソフトバンクの場合は“例年どおり”だ。今オフは、小久保監督同様に二軍から“昇格”するコーチ陣も多い一方で、例えば斉藤和巳前一軍投手コーチは新しく四軍監督として育成選手を中心とした若手選手を指揮することとなった。

 四軍制を敷き、選手同様に首脳陣の数も増える中、チームを一つの組織として機能させなければならない。だからこそ、一〜四軍までの首脳陣を入れ替えることで、ある程度の一貫性を持たせた指導を行うことができる。小久保監督も「四軍までの関わるスタッフを含め、同じところを目指すというのが一番大切」。チームに関わる一人ひとりが同じ方向を向いて戦っていくことの重要性を強調する。

 その中で、3年連続リーグ優勝、日本一から遠ざかっていることを鑑み、新しい風も取り入れる。3年ぶりにチームに復帰する倉野信次投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)のほか、奈良原浩ヘッドコーチ、牧田和久三軍ファームコーチ、川越英隆四軍投手コーチ(チーフ)が新入閣。3コーチはいずれもソフトバンクで指導をするのは初となる(牧田コーチは指導者経験自体が初めて)。

 とはいえ、いずれも指揮官が求める「同じ方向」というところでは問題はない。小久保監督の青学大の3学年先輩、2017年のWBCでは日本代表監督(小久保)、ヘッドコーチ(奈良原)として厳しい戦いをともにした奈良原ヘッドコーチは、就任会見で「いいバックアップができるよう全力で取り組みたい」と抱負を語った。

 では、同じ方向を向いて目指すのはどのようなチームか――。小久保監督が就任会見で今のチームに欠けているものとして挙げたのが『美しさ』だった。

「首脳陣、選手たちと『いかに美しくあるか』ということを共通認識として持ち、チームをつくっていく」

 プレーはもちろんのこと、あらゆる場面において見る者の目にどう映るのか。そこに対する意識もしっかり持った上で、あらためて強さも追求していく。

意識も変える


 第一歩となる秋季キャンプでは新しい試みが行われた。まず、球団としては初めて野手は宮崎(生目の杜運動公園)、投手は筑後(HAWKSベースボールパーク筑後)に分かれてキャンプを張り、練習メニューは球団フロントが主導。個別メニューを中心とした自主性を重んじるキャンプとした。

 また、最新鋭のピッチャーマシン『iPitch(アイピッチ)』を駆使したり、アメリカのトレーニング施設『ドライブライン・ベースボール』による動作解析なども行われている。得られたデータを活用して選手一人ひとりに適したトレーニング方法などが提案される仕組みだ。フィードバッグで早くも変化を見せる選手もいて、小久保監督自身も一定の効果を実感し、「冬の過ごし方も変わってくる」。最先端のデータサイエンスを取り入れながら、チーム力の強化を図っていく。

 指揮官が就任会見で一番の課題と語った「投手陣、特に先発投手の整備」というところでは、倉野コーチの手腕にかかる期待は大きい。筑後では、11月10日の第3クール初日から投手陣全員参加での勉強会がスタート。倉野コーチ自身がこの2年間、アメリカで学んできたこと、経験してきたことを余すところなく伝え、選手・コーチ陣のモチベーションを高めるのが目的だ。

 さまざまな取り組みの結果、共通する狙いとしては“意識改革”もある。一人ひとりがこれまでとは違う言動を見せるようになれば、チームとして大きく変化することは間違いない。その変化が勝利へとつながっていく。

11月11日の宮崎キャンプでバッティングピッチャーを買って出たのは、斉藤和巳新四軍監督


【CHECK このコーチに注目!】
投手(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)・倉野信次



日米での“すべて”を還元し、再建する投手王国

 強い覚悟を胸に戻ってきた。投手陣の整備が最重要課題に挙げられる古巣を救うべく、「今しかないという気持ち」。2022年に海を渡り、今季はレンジャーズ傘下でマイナー投手育成コーチを務めた。「2年間、自分自身を“魔改造”して帰ってきました」という言葉が頼もしい。立て直しにも「自信がある」とキッパリ。持てるすべてを還元する。


2024コーチングスタッフ

【凡例】役職、氏名、背番号
注)〇は新任、□は復帰、△は移籍、※は配置転換、◎は新設ポスト。11月13日時点で球団発表のあった首脳陣

【一軍】
監督 小久保裕紀 83 ※
ヘッド 奈良原浩 92 △
投手(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手) 倉野信次 94 □
投手(ブルペン) 若田部健一 72 ※
投手(ブルペン補佐) 中田賢一 71 ※
打撃 村松有人 93 ※
打撃 村上隆行 78 ※
内野守備走塁兼作戦 本多雄一 80 ※
外野守備走塁兼作戦 井出竜也 87 ※
バッテリー 高谷裕亮 84 ※

【二軍】
監督 松山秀明 74 ※
ファーム投手 寺原隼人 76 ※
打撃 吉本亮 77 ※
打撃 明石健志 88
内野守備走塁 高田知季 82 ※
外野守備走塁 城所龍磨 96 ※
バッテリー 清水将海 83 ※

【三軍】
監督 小川史 85 ※
投手チーフ 佐久本昌広 86 ※
ファーム投手 牧田和久 97 ○
打撃 大道典良 75
内野守備走塁 金子圭輔 91
外野守備走塁 高波文一 98 ※
バッテリー 吉鶴憲治 95

【四軍】
監督 斉藤和巳 011 ※
投手チーフ 川越英隆 012 □
打撃 森笠繁 013
内野守備走塁 笹川隆 014
バッテリー 的山哲也 016 ※

【リハビリ担当/コーディネーター】
リハビリ担当(投手) 森山良二 017 ※
コーディネーター(投手) 星野順治 020
コーディネーター(野手) 関川浩一 019
コーディネーター(バッテリー) 森浩之 022 ◎
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