近年、「打低」が叫ばれる中で、今季のパ・リーグ打撃3部門はタイトル獲得のラインが大きく下がった。過去のタイトル獲得者たちと比較して、果たして今季の数字はどれほどのものだったのか。そして「打低」は本当に加速しているのだろうか――。 ソフトバンク・近藤健介 26本塁打、87打点 
ソフトバンクの近藤は26本塁打&87打点で打撃2冠。さらに首位打者まで4厘差の打率.303と三冠王に大きく近づいたが……
レアな記録が連発
「投高打低」が叫ばれるようになって久しいが、2023年のパ・リーグはそれが目に見える形で表れた。首位打者に輝いた
オリックス・
頓宮裕真は打率.307にとどまり、本塁打王はソフトバンク・近藤健介、
楽天・
浅村栄斗、
ロッテ・
ポランコが26本塁打で並んで3人同時戴冠となった。近藤は打点王も獲得して2冠に輝いているが、87打点だ。
1941年には
巨人の
呉昌征が.286で史上唯一となる3割未満での首位打者となっているが、ここからはボール自体の質の問題などもあって「打低」が極端だった1リーグ時代は除き、2リーグ分立の1950年以降の数字で比較していこう。
打率に関しては歴史的な低さだったことが一目で分かる。そもそも今季のパは打率.303の近藤と3割超えが2人しかいなかった。歴代の首位打者の中でもっとも打率が低かったのは1962年、
広島の
森永勝治。頓宮は限りなく接近し、わずか1糸上回った。パ・リーグに限れば76年の太平洋・
吉岡悟の.309を下回る最低打率だ。
【表1】低打率首位打者15傑 
※2リーグ分立の1950年以降
歴代の低打率首位打者の15傑【表1】を見ると、15人中9人までがパの打者で、6傑に絞れば5人を数える。伝統的に「打低」の傾向にある中で、それが極端な形で表れてしまったのだろう・・・
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