シーズンオフの真っ只中だが、2024年に向けての戦いは進行中だ。ドラフト、FA、トレード、現役ドラフト、また新外国人選手の獲得など、各球団とも補強ポイントを考えながらの戦力アップに余念がない。その進捗状況は、現時点でどうなっているのだろうか。補強ポイントは確実に埋められているのか、それともまだ不十分なのか。 ※情報は12月17日現在、年齢は2024年の満年齢、育成選手は含まない
※退団は育成での再契約は含まない人数、補強は新人を除く新加入の人数、新人は支配下ドラフトで獲得した人数 【2023年成績】143試合86勝53敗4分勝率.619 
ポスティングシステムで海を渡るエース・山本の“枠”をプラスに働かせる
2023年オフに加入した選手 
※2023年成績のEはイースタン・リーグ、Wはウエスタン・リーグを表す
※即戦力度の記号[球団担当が判定]
◎…主力、レギュラーとして期待大、○…一軍での活躍に期待、△…体づくりや故障明けなどで数年後の活躍に期待、□…故障、リハビリで一軍出場は見込めない
パ・リーグ 1位 支配下選手 61/70人 退団 14人 補強 4人 新人 7人 最大の話題は
西川龍馬が
広島からFA加入したことも、戦力整備が必要なのは
山本由伸がポスティングシステムでMLB、左腕・
山崎福也がFAで
日本ハムへ移る投手陣だ。ただ、すでに手は打っている。2023年は山本と山崎福を合わせて27勝、投球回は294回1/3とチームの根幹を崩しかねない移籍も、不安が少ないのは先を見た戦力整備から生まれた明るい材料が多いからだ。ストーブリーグの幕開け前、日本シリーズ開幕2日前に行われたドラフト会議は、上位で高校生を指名と将来を見据えた育成に主眼を置きつつ、5位から続けて3人の社会人投手を指名したのは山本、山崎福の去就もにらんでのことに違いない。
求めたのは先発投手に限らず。ゲームメーク能力に長け、先発適性を見せるのは
高島泰都で、
古田島成龍は先発、救援ともに可能と起用の幅があり、
権田琉成は中継ぎ、それも抑えの経験もあるなど、ブルペンの厚みも増す可能性は十分にある。さらに新助っ人として、160キロに迫るストレートにチェンジアップを組み合わせ、メジャー通算137試合登板を誇る救援右腕の
アンドレス・マチャドを招き入れた。投手ローテが2枠空いても、先発投手の補強に走らないのは、23年に
ロング救援も辞さず、チームを支えた
山岡泰輔、
小木田敦也の両右腕が先発転向の可能性もあるためだろう。配置転換もにらみ、ブルペン整備も同時に進めている。
適材適所の起用のみならず、選手の状態を見極め、積極的にシーズン中に配置転換も行う
中嶋聡監督にあって、先発と救援の“両にらみ”が効く選手はチームの戦いの幅を広げるもの。
黒木優太とのトレードで日本ハムから獲得した
吉田輝星、現役ドラフトで加入した
鈴木博志の両右腕も、先発・救援がともに可能と、補強戦略は明確。150キロ超のスピードボールを持っているのも新加入する投手たちの共通点だ。
獲得ばかりが補強ではない。先発では22年のドライチ・
椋木蓮、救援では21年にチームトップの51試合に登板した左腕・
富山凌雅がトミー・ジョン手術で育成登録も、24年シーズン中に支配下に復帰する可能性も十分で、
川瀬堅斗、
入山海斗、
才木海翔ら、高いポテンシャルを秘める育成投手は多数いる。“空いた枠”はモチベーションとなり、激しい競争がチームの進化を呼ぶ。リーグ4連覇を手繰り寄せる、新生・投手陣構築の準備に抜かりはない。
<B担選定>この選手に注目せよ 吉田輝星

吉田輝星[投手]
自慢の直球をもう一度 “剛腕復活”で層に厚み 先発か、救援か――。起用は両にらみが続くも思いは変わらない。金足農高時代に甲子園を席巻した最速151キロのストレートを武器に、救援としてブレークの兆しを見せた2022年は51試合登板も、23年は自慢の直球が鳴りを潜めてファーム暮らしが続いた。「ストレートに自信を持っていますと言えるように」。同じタイプが数多くそろう新天地で復活のヒントを得て飛躍へ。2024年で23歳とまだまだ伸び盛りの右腕が投手陣に厚みをもたらす。