やはり今年のチームを語る上で、他球団にとっての一番の脅威は打線だろう。強力クリーンアップもさることながら、驚異的な足も持つ一番打者は“クセ者”だ。開幕から安定した打撃を見せ続け、試合をかき回している。 取材・構成=菅原梨恵 写真=兼村竜介、湯浅芳昭 
迷いを感じさせない鋭く力強いスイングが、開幕から続く好調さを示している
出塁への強い思い
話を振った瞬間、パッと笑顔が広がった。今季は開幕から打撃が好調。山川穂高が加わった打線の中で、得点力アップの貢献度というところでは周東佑京の存在は欠かすことができない。小久保裕紀監督もその活躍ぶりを「大きい」と評価する。昨オフ、選手会長に就任して責任と自覚もみなぎらせる男は、このままの勢いでチームをけん引していく。 ──5月19日現在、チームは27勝10敗2分け。開幕から着実に勝ちを積み上げています。
周東 やっぱり勝てているということもあって、チームの雰囲気はすごくいいです。まあ、負けている状況でもそんなに暗くはなっていない、というか。特に今年の打線は、ある程度劣勢でも最終回までにどうにかできる感じがある。それはファンの皆さんも感じていることだと思いますが、僕たちも同じように思っています。
──そんな打線の中で、周東選手自身も打率3割超えをキープしています。
周東 (状態は)めちゃくちゃいいですね! 出来過ぎなくらいのところがありますけど(笑)。
──昨季の開幕直後はなかなか調子が上がらず、苦しんでいました。今季、いいスタートが切れた要因というのは?
周東 キャンプ、オープン戦とやってきて、オープン戦の終盤ぐらいから「今年はこういう形でいこう」というのが見えたのかなと。オープン戦最後に試してみたときに感覚的に良くて、開幕してからも続いているのかなとは思います。
──昨季も終盤はすごくいい形だったと。それの継続なのか。それとも、今年は今年で、新しい形なのでしょうか。
周東 根本的なところはあまり変わってはいないですけど、ちょっとしたところでは変えたりもしましたね。
──例えば、どんなところが変わったのでしょうか。
周東 タイミングの取り方は、昨年と変えましたし。またちょっと、足を上げてみたりして。昨季の終わりぐらいから足を上げて打ってみようというのはやってはいて。割かし良かったんですが、1回、良くない時期があったんですよ。そこで昨年の形に戻してみようとしたら、それはそれであまりハマらなくて。それからいろいろと変えてみている間に、今の形に落ち着きました。
──では、今季は一つ、この形で継続してやっていこうと思っているのですね。
周東 そうですね。(調子が)いいので。いい間はこのままにしようかなとは思っています。
──チームがリードオフマンを欲していたのはもちろん、周東選手自身も力を発揮したいという思いがあったかと。
周東 やっぱり一番を打ちたいというのはありますね。今は本当に塁に出られているので、うまくハマっているのかなと思っています。僕が塁に出ている試合は結構点が取れていますし、逆に塁に出ていなかったら……。そこの責任というか、自覚は日々、感じながらやっています。
──一番打者の適性というところは、周東選手自身はどう感じていますか。
周東 どうなんですかね。自分では分からないですけど・・・
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