週刊ベースボールONLINE

SHOHEI OHTANI バッティング最強論

<LA現地ルポ>ドジャースファンが注ぐ熱視線 幸せな関係

 

今年から新天地・ドジャースでプレーする大谷翔平だが、背番号『17』は完全にドジャースファンに受け入れられている。大谷見たさにスタジアムにファンがあふれ、チームも勝利を積む。ドジャー・スタジアムには幸福な時間が流れ続ける。
取材・文=椎屋博幸(現地特派) 写真=水見美和子、BBM

ロサンゼルスのドジャースファンは大谷のすべてを見逃さないようにしている


地元の記者がつぶやいた「こんな経験は初めて」


 熱しやすくて冷めやすい。3回くらいにスタジアムが埋まり、7回くらいからその場をあとにする。丘陵を切り開き建てられたドジャー・スタジアムは、出入り口が3カ所ほどしかない。来場するのにも渋滞があり、巨大な駐車場から歩いて行くにも時間がかかる。帰りは渋滞に巻き込まれることを嫌がり、試合展開を見ながら帰途に就く。これがドジャースファンの形だ。

「オウ!」「アアア!」という叫び声が上がる。現地時間(以下同)5月21日、ドジャー・スタジアムでのダイヤモンドバックス戦。7回が終わって3対7。6回裏に大谷翔平の適時打などで1点差に追い上げ、ファンのボルテージが上がって迎えた7回表だ。リリーフのマイケル・グローブがまさかの3点を奪われ、一気に敗戦の雰囲気になった。これまでのドジャースファンであれば、このイニングが終わると同時に球場をあとにすることが多かった。

 しかし、この試合は少しばかり違った。8回は一番打者から始まる。それを知っているファンは、席でじっと待っていた。そしてベッツが倒れ迎えた二番・大谷翔平の打席。この試合、ここまで2安打1打点2盗塁の活躍だ。初球を振り抜くと、打球はライトへ高く上がった。

 その瞬間、「オオオ!」という大きな叫び声と「カモン! カモン!」という声が飛び交った。結局、打球は右翼手のグラブに。その瞬間、多くのファンが足早に出口へと歩いて行く。続く三番・フレディ・フリーマンには申し訳なく思ってしまうのだが、彼の打撃よりも渋滞にはまりたくないファンが、出口へあふれていった。

 ライトの外野席で大谷がアウトになったシーンを見届け、記者席へと帰ろうとするのだが・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング