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指揮官インタビュー

西武・渡辺久信監督代行インタビュー 戦う姿勢は貫く「現在は弱者だけど、敗者と決まったわけではない」

 

松井稼頭央監督が休養し、交流戦から指揮を執っている渡辺久信GM兼監督代行。しかし、チーム状況は上向かない。6月23日現在、20勝46敗で借金26。5位・オリックスにも11.5ゲーム引き離される最下位だ。苦境にあえいでいるが、ファイティングポーズを崩すわけにはいかない。チームを鼓舞し続ける渡辺監督代行の胸の内に迫った。
取材=小林光男、上岡真里江 写真=桜井ひとし

ベンチから鋭い視線を送る渡辺監督代行


【渡辺久信GM兼監督代行就任以降のチーム成績】通算21試合、5勝16敗、勝率.238(6月23日現在)

自分が全責任を負うしかない


――前回の監督就任が2008年シーズン。07年に1981年以来、26年ぶりにBクラスとなった苦境の中での着任でしたが、今回も“逆境”という意味では共通していると思いますが、やはり心境は違いますか?

渡辺 それは全然違いますよ。前回は初めての監督就任でしたし、前の年の観客動員数が最低だったので、一つのタスクとして「ファンを取り戻してほしい」ということを球団から言われました。もちろんチームを勝たせる、強くするというのは大前提だったのですが。なので、やるからにはいろいろなことを変えていかなければいけないということで、メディアに積極的に選手を売り出すなど、いろんなことをやりましたよ。

――今回はシーズン途中での監督代行就任です。

渡辺 松井(松井稼頭央)監督は、ある意味自分が呼んできた監督だったのでね。現役選手のときに楽天から引っ張ってきて、その後、兼任コーチ、二軍監督、一軍ヘッドと、構想の中で「次期監督」というのがある中で首脳陣になってもらっていたので、こういう形になってしまい、すごく複雑な思いがあります。代行をやることになったときの会見でも言いましたが、この結果は別に松井監督だけが悪いわけではありません。私の中の本当の気持ちとして、当然、GMとしてチーム全体を見る立場としたら、編成、補強も含めて、私にもすごく責任はある。その私が代行をやるというところに、自分の中でもすごく違和感がありました。とはいえ、この状況をつくってしまったのは事実。この状況から脱却し、上に行くために、誰かを監督にしなければいけないというところで、これはもう、自分が全責任を負うしかないという考えですね。

――相当強い覚悟が伝わってきます。

渡辺 会見で話したじゃないですか。「私のプロ野球人生をかける」と。その覚悟でいます。

――その監督代行就任会見では、「外から見るのと、ベンチから見るのとでは、チームは違う」と話していました。実際にベンチに入ってみて、外から見ていたころとの違いは何か感じられましたか?

渡辺 ベンチの中では、刻一刻といろいろなことが動きます。それが、外から見ていると、第三者的に大まかな視点で見ているので、細かいニュアンスのところは分からないものです。なので、ベンチにいると、選手、コーチ、スタッフ、みんなの息遣いが分かります。あとは、外からとはいえ、11年もチームを見続けているので。今年こういう形で負けが込んできて、投打がなかなかうまくかみ合わず、打線が機能せずというのはずっと見てきたので、私が現場に入ったところで、そんなにすぐに変わるものでもないかなというのはありますね。とはいえ、残りの70数試合をかけて、また良い軌道に乗せていく。勝ちグセがつくようなチームに変えていかなくてはいけないというのが私の使命だと思っています。

――短期間で「勝ちグセをつける」というのは、とても大変な作業のような気もしますが。

渡辺 それは大変なことですよ。見れば分かるでしょう。今は・・・

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