大会最終日に待っているのは閉会式だ。黒獅子旗の授与以外にも多くの表彰がある。なじみのないタイトルもあるかもしれないが、インプットすれば社会人野球通に一歩前進だ。 フィナーレは優勝の瞬間ではなく閉会式にある。大会で輝いた選手や監督、チームや応援団の名が呼び上げられ、栄誉を手にする。橋戸賞に小野賞以外にもたくさんの表彰がある。
規定を満たした最高打率者には『首位打者賞』、印象的な打撃をした打者には『打撃賞』、各ポジションで選ばれる『優秀選手』がある。優勝チームには黒獅子旗が手渡されるが、準優勝チームには白獅子旗、準決勝で敗れた2チームには黄獅子旗が贈られる。1回戦の試合前に行われる都市対抗10年連続出場者の表彰も忘れるなかれ。
【橋戸賞】輝く最高の栄誉
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打率.524の活躍で大阪ガスを初優勝に導いた近本光司
最優秀選手賞(MVP)に当たる最高の栄誉。都市対抗野球大会の創設に尽力した橋戸頑鉄(本名・信)が死去した1936年、10回大会に制定された。昨年、
阪神の38年ぶり日本一に貢献した近本光司は大阪ガス時代の89回大会(2018年)で受賞。
【久慈賞】準優勝チームから選出
18回大会(1947年)から制定。敢闘賞にあたる。39年に試合中の事故で亡くなった函館太平洋クラブの捕手・久慈次郎の名からつけられた。初回は優勝チームに与えられたが、翌19回大会からは準優勝チームから選出されている。
【小野賞】対象は選手のみならず
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野茂英雄は59回大会で若獅子賞、60回大会で小野賞[写真]に輝いた
27回大会(1956年)に制定。大会主催者の毎日新聞記者・小野三千麿氏が大会発展に貢献した功績を称えて設立。対象は目覚ましい活躍をしたチーム、選手、監督と幅広い。野茂英雄(元ドジャースほか)も新日鐵堺時代に受賞している
【若獅子賞】NPBへの登竜門とも
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左から中村奎太[三菱自動車岡崎]、福本綺羅、門叶直己[ともに東海理化]
44回大会(1973年)に制定。目覚ましい活躍をした新人選手(高卒は2年目まで)に贈られる。受賞者がのちにドラフト指名されることも多く、NPB入りへの登竜門とも言える賞だ。昨年は大卒1年目の外野手3選手が受賞している
こんな表彰もあります♪【応援団コンクール】
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94回大会は東芝が最優秀賞に輝いた
晴れ舞台はグラウンドの上だけではない。都市対抗では34回大会(1963年)から応援団を表彰する『応援団コンクール』が開催されている(91、92回大会は新型コロナ禍のため中止)。審査対象は1回戦16試合。5回終了時に「SHOW TIME」と題した、両チーム応援団による各2分間の特別パフォーマンスも披露される。最優秀賞、優秀賞、敢闘賞、特別賞、努力賞が表彰。昨年からはファンの投票で決まる「MIC(Most Impressive Cheer)賞」が新設された。