昨オフに8年在籍した阪神を戦力外となり、育成契約ながら同じセ・リーグの中日へ移籍した。5月に支配下登録を勝ち取って一軍の舞台へ。パンチ力のある打撃と内外野どこでも守れる守備。今やチームに欠かせない貴重な戦力だ。 取材・構成=牧野正 写真=BBM 古巣・阪神への恩返しは6月25日[倉敷]。三番・一塁でスタメン出場し、8回表に決勝打を放ってお立ち台へ[写真=牛島寿人]
準備をして結果を残す
立浪ドラゴンズ3年目の補強の目玉は中田翔だった。ほかに実績のある中島宏之、上林誠知も注目されたが、211番を背負った育成契約の板山祐太郎への期待はそれほどでもなかったはずだ。しかし今や二軍ではなく一軍で躍動中。クリーンアップを任されることなど、おそらく本人も思っていなかったに違いない。 ──すっかりチームになじんでいるように見えますが、いかがですか。
板山 先輩方も非常に良くしてくれますし、後輩たちも話し掛けてくれるので、すごくやりやすいです。ヤス(
山本泰寛、板山と同じく今季阪神からともに移籍の同級生)がいるのも大きいですし、先にヤスが一軍にいたので、一軍に上がったときはいろいろと教えてもらって。遠征先でもたまに一緒に食事に行ってます。
──支配下登録(5月5日)されてから、ここまでの結果については、どのように考えていますか。
板山 特には……。ただ、良くても悪くても同じことをずっとやり続けることは意識的にやってきましたし、今もそうです。準備だけは怠らないように毎日やるべきことをやっていくという。
──気持ちも高ぶっているのでは?
板山 試合の日は、もう毎日、吐きそうなくらい緊張しています。でも、もちろん試合が始まれば集中して、どう打つか、守るか、そこは冷静にできています。
──プロ9年目の板山選手でも吐きそうになるんですか……。
板山 そこに向けて準備してきていますからね。でも、それが別に悪いことだとは思っていません。おそらくこれからもそうだと思います。
──7月7日の
広島戦(バンテリン)では9回裏、一死満塁の場面に代打で登場してサヨナラ打。人生初のサヨナラ打と聞きましたが、本当ですか。
板山 たぶんそうだと思います。サヨナラの打球が一、二塁間を抜けていった瞬間だったり、みんなが僕に向かって駆け寄ってきてくれた光景というのは・・・
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