ペナントレースも8月に突入し、残りは40試合ほど。各チームとも最終戦力が確定、ここからが本当の勝負になる。セ・リーグは6年ぶりの優勝を目指す広島が首位を走るが、上位3チームが1.5ゲーム差内にひしめく。混セの行方に注目だ。
注)チーム、選手成績は8月4日現在。メンバー表の選手名の横は背番号、記号は○=新入団、◎=育成から支配下登録、△=NPB他球団から移籍、□=NPB復帰、※は配置転換、選手の年齢は満年齢


　勝負は8、9月。今年は連覇をするにも混戦になる──。開幕前の岡田彰布監督の予想どおりの展開となった2024年前半戦。阪神は貯金「1」の4位で終えた。貯金が1つだけに関しては予想外だったはずだ。

　その要因は打線にある。特にクリーンアップを担っていた森下翔太、大山悠輔、佐藤輝明の3人すべてが低迷。それぞれが二軍降格となり、ファームでの調整を送る日々があった。それに伴い、昨年シーズンを通して一番打者に固定されていた近本光司が三番や四番を打つなど、苦しい打線を組まざるを得なかった。

　昨年独走優勝をする中で、一、二番を打つ近本、中野拓夢の出塁率の高さがあったことで、先制点を奪い有利に試合を運べていた。だが、今年は近本がさまざまな打順を打つことで調子を崩し、中野も低調な打撃で、出塁を稼ぐことはできなかった。

　それにより2点以上を奪うケースが少なく、投手陣が踏ん張って最少失点に抑える投球で何度も借金間近で踏みとどまっていた。「ここまで打線が低迷するとは思わんかった」と岡田監督も頭を悩ませたが、後半戦に入り各打者が本来の打撃をするようになっている。

　シーズン中の助っ人獲得、トレード獲得もなく、現有戦力で連覇を狙っていく。そこで岡田監督は、キャンプ中から若手の活きのいい選手が出てくれることを希望したが、それに応えるように、右の野口恭佑、左の前川右京という勢いのある選手が台頭。彼らの活躍で、チーム内も活性力が上がっていく可能性がある。

　投手陣に目を向けると、二軍には調整中の青柳晃洋に伊藤将司の実績組が控えている。そこに支配下となった高橋遥人が復調してきており、疲れが見えた先発と入れ替えることもできる。リリーフ陣にしてもしかり。浜地真澄、島本浩也らもおり、秋季キャンプで岡田監督から絶賛され、7月に支配下となった川原陸らも二軍で実績を残し、スタンバイするほど充実している。

　この強力投手陣をバックに、後半戦開始から打線が好調となった。岡田監督の采配も送りバントなどを絡めた勝つ野球へとシフトした。後半戦7連勝スタートと幸先のいい状況が出来上がった。連覇へ向けて、ようやく投打が噛み合い、首位奪取へと向かっている。

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四番としての自覚

　打席での雰囲気に、何か一皮むけた感覚がある。後半戦が始まってからも、四番に座り続けている。打席での余裕のある立ち居振る舞いと軽く振る打撃は、相手バッテリーは脅威に感じるだろう。守備でも柔軟にこなしながらも闘志が溢れ出る。これが最後まで続けば、必ずV2はつかめるはずだ。(H.s)

阪神タイガース　2024メンバー表

【監督】
80岡田彰布

【一軍コーチ】
78平田勝男、88安藤優也、90久保田智之、83嶋田宗彦、77今岡真訪、73水口栄二、81馬場敏史、74藤本敦士、96筒井壮

【二軍監督】
86和田豊

【二軍コーチ】
85福原忍、72江草仁貴、89渡辺亮、87野村克則、84日高剛、91北川博敏、75山崎憲晴、70田中秀太、76工藤隆人、71上本博紀

【投手】
00J.ゲラ、13岩崎優、14岩貞祐太、15西純矢、16西勇輝、17青柳晃洋、19下村海翔、20森木大智、21秋山拓巳、26椎葉剛、27伊藤将司、28鈴木勇斗、◎29高橋遥人、30門別啓人、34漆原大晟、35才木浩人、36浜地真澄、37及川雅貴、41村上頌樹、46島本浩也、47桐敷拓馬、48茨木秀俊、49大竹耕太郎、50富田蓮、54加治屋蓮、63石黒佑弥、64岡留英貴、65湯浅京己、66津田淳哉、69石井大智、◎92川原陸、93岩田将貴、◎98佐藤蓮、99J.ビーズリー

【捕手】
2梅野隆太郎、12坂本誠志郎、39榮枝裕貴、57長坂拳弥、59藤田健斗、68中川勇斗、95片山雄哉

【内野手】
0木浪聖也、3大山悠輔、4熊谷敬宥、8佐藤輝明、25渡邉諒、33糸原健斗、38小幡竜平、44戸井零士、45遠藤成、51中野拓夢、52山田脩也、56百崎蒼生、62植田海、67高寺望夢、94原口文仁

【外野手】
1森下翔太、5近本光司、7S.ノイジー、32井上広大、40井坪陽生、43高濱祐仁、53島田海吏、55J.ミエセス、58前川右京、60小野寺暖、61豊田寛、97野口恭佑

【移籍】なし
【退団】なし