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2024ドラフト特集 2024夏甲子園不出場の有力右腕

前橋商高・清水大暉(投手) 投球を支える思考力と探求心「上からたたく意識を大切にしています」

 

この夏、甲子園の土を踏むことができなかったが、プロは内容と将来性を見ている。2年夏。長身、本格派右腕の甲子園デビューに、ネット裏で視察したNPB12球団のスカウトは、大きな可能性を感じた。今夏は聖地へと戻ることはできなかったが、成長を実感した3年間だった。
取材・文=ツクイヨシヒサ

群馬大会決勝敗退後も、前橋商高の活動拠点である同校の第二グラウンドで、トレーニングを継続している[写真=ツクイヨシヒサ]


大事にしている言葉


 194cmの恵まれた体格に、回転力のあるボール。グラウンドに立つだけで、自然と周囲の視線を集める清水大暉は、野球ファンがしばしば口にする“雰囲気のある選手”だ。野球を始めたのは4歳のころ。友達に誘われて、渋川エンジェルスに入った。軟式野球の中学時代は渋川北群馬選抜へ入り、関東大会出場。高校は県内公立の雄・前橋商高へと進んだ。

「私立の強いところからも推薦をいただいていたんですけど、当時は自分が高校より上の世界で野球をやるかどうかが分からなかったので、野球一辺倒ではない公立の前商を選びました。でも、入学直後に左ヒザの半月板を損傷してしまって。下半身強化の練習中に、バランスを崩したのが原因でした。自分の体が、まだまだ弱過ぎたんです」

 清水の高校野球生活を振り返れば、結果的にこのケガが飛躍の下地をつくることにつながった。

「リハビリも含めて全治7カ月。長かったですけど、今の自分にできることを少しずつでもやっていくしかないと思い、体幹トレーニングやストレッチなどを地道に重ねました。正直、母親やチームメート、監督さんたちの支えがなければ続かなかったと思います」

 なかでも大きかったのが、尊敬する父の存在。時に折れそうになる清水の心を、厳しく叱咤激励し続けてくれた。管理職のサラリーマンとして毎日、家族のために働く背中も、自身の手本となった。

 前橋商高・住吉信篤監督からは、元メジャー・リーガーの松井秀喜氏の著書を渡された。ケガや不遇の時期をどう過ごすか、心をいかに整えていくかで・・・

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