“新星の光”が明日のチームを変えるならば、ドラフト会議の持つ意味も大きくなる。今年のドラフトも約1カ月後に迫るが、その前に直近10年のドラフトを振り返ろう。球団方針、指名戦略から描いた未来どおりの“今”となっているのか。現段階での“答え”とはいえ、それは今季のチーム順位にあらず。ドラフト指名した選手と現有戦力を比べながら、12球団の“答え合わせ”をしていこう。 ※『直近10年の指名内訳』はドラフト指名時のポジションで集計。『今季の一軍出場割合』は9月8日時点で、内訳はドラフト指名球団から他球団に移籍し、古巣復帰したケースのみ『移籍』ではなく、『高卒』『大卒』『社会人・独立出』『育成上がり』『10年以上前のドラフト指名』のいずれかに分類しています(例=西武・佐藤龍世……西武→日本ハム→西武のため、ドラフト指名時の「大卒」に分類)。また、育成入団後に支配下登録された外国人選手は『助っ人』に分類しています。 
佐野[右]、梶原[中]らに見える得意の即戦力育成に松尾[左]ら高卒選手の育成が加わっていく
球団運営が
DeNAとなり3シーズンを終えたのが10年前のこと。チーム再建は少しずつ進んでいたが、ドラフト戦略は「補強」に寄り、上位での即戦力獲得が目立った。高卒指名もあったが、あくまで下位。3位以上は2016年秋のドラフト3位・
松尾大河が初めてだった。
一方で、大卒、社会人、独立出身選手は出場機会が多く、成長を遂げやすい傾向にある。特にドライチで指名した即戦力投手は、
山崎康晃(14年秋1位)、
今永昇太(15年秋1位)、
濱口遥大(16年秋1位)、
東克樹(17年秋1位)、
上茶谷大河(18年秋1位)ら軸と呼べる成績を残す選手が続いた。連続して指名することで即戦力投手の育成・運用ノウハウが培われたことこそ黎明期のDeNAドラフト戦略最大の収穫だろう。
野手では
宮崎敏郎、
佐野恵太、
山本祐大、
梶原昂希など活躍を果たす下位指名選手が多い。大卒、社会人、独立出身選手の育成もさることながら、スカウティング能力がモノを言った。
今季の一軍出場選手でも、投打ともに大卒選手が上位を占め、社会人、独立出身で現在もチームに残る8選手全員が出場機会を得ており、即戦力がチームを支えている。
ただ、いつまでも即戦力に頼っていては、高卒選手のモデルケースは生まれず、底上げも実現しない。
変化があったのは18年秋のドラフト。DeNAとしては初めて高校生を1位指名した。クジには敗れたものの新たな方針を打ち出し、翌19年秋も桐蔭学園高の
森敬斗を1位指名。21年秋は
小園健太、22年秋は
松尾汐恩と、スケール感に期待した高卒1位指名が続いている。今季、高卒1位指名選手全員が一軍舞台を踏んだように、徐々に新たな挑戦が結果になって表れ始めた。即戦力、高卒、それぞれの育成ノウハウが噛み合う時は近い。
直近10年の指名方針と傾向 
※各項目は0.5刻み、5点満点
<当たり年!>DBの神ドラフト
2017秋ドラフト指名 
※所属、位置はドラフト指名当時。アミカケは現在も在籍している選手

東[左]、山本[右]
結実した即戦力育成 上位は総合力、下位は長所に重きを置いた2017年秋のドラフト。新人王を獲得する東克樹はもちろん、9位・山本祐大、育成1位・
中川虎大は長所・短所ともに底上げに成功し一軍戦力へと成長した。昨年の最優秀バッテリー賞を受賞した東、山本だけでもお釣りがくるほどだが、DeNAの即戦力育成ノウハウが結実したドラフトだった。
直近10年の指名内訳 今季の一軍出場割合