小久保裕紀監督の下、強さを取り戻していったチームとともに、自らの野球選手としての“存在意義”を取り戻していった。1年前とはまったく違う立場に身を置き、たくさんの経験を積んだシーズンは、リーグ優勝でさらに大きな意味を持つものとなった。 取材・構成=菅原梨恵 写真=井田新輔、BBM “勉強”の結果
どうしても、その声が聞きたかった。昨季、苦しみに苦しみ抜いたであろう正木智也は、1年後、小久保ホークスを象徴する若手選手の1人として躍動。グラウンドで明るい表情も見せる。ガラリと変わったプロ野球人生。リーグ優勝の喜びとともに、自らの1年を振り返る。 ――本格的に一軍戦力となったのは6月後半からですが、キャリアハイを大きく更新する活躍で、4年ぶりのリーグ優勝に貢献しました。
正木 優勝する瞬間にいられたっていうことがうれしかったですね。それこそ、前半はファームにいて、そのときから考えたら優勝するチームに自分がいて、スタメンで(試合に)出させてもらったりしているというのは考えられなかったです、正直。本当に前半、頑張った自分を褒めたいなって思います。
――昨季も途中、悔しい思いをしてきました。今季も前半は悔しさも味わいながら、その悔しさを飛躍につなげた。何が違っていたのでしょうか。
正木 昨年に関しては今思うと、それじゃ打てないだろうなみたいな打ち方していたなと。いろいろな動画を見て勉強をして、「どういう人が打てているのか」「この人はこういう技術があって打てている」みたいなことを勉強したら、今年、本当に良くなったんです。
――昨季はそういう“勉強”はしていなかったのですか。
正木 そうですね。昨年までは自分の野球人生でやってきたことを信じて、自分のバッティングとしてやっていました。ただ、それだとちょっと限界を感じたというか、これじゃダメだなと思ったんで。今年から本当にいろいろな人のバッティングを見るようになりました。
――“勉強”する中で大きく影響を受けた選手はいましたか。
正木 本当にいろいろな人の動画を見ました。一番見たのは大谷さん(
大谷翔平、ドジャース)。あと、メジャー・リーガーも見たり。その中で一番影響を受けたのは、やっぱり近藤(
近藤健介)さんですね。
――同じチームですし、直接聞いてみたりということもあったのでしょうか。
正木 僕が二軍だったのでそれはなかなかできなかったんですけど、本当にいろいろな動画を見ました。それで、ちょっとマネしてみたら、感触も良くて。そのあと一軍に上がってから近藤さんに・・・
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