週刊ベースボールONLINE

2024プロ野球記録集計号 DATAで徹底検証&回顧

【File.6】阪神・西勇輝インタビュー 2000投球回達成 無事是名馬「2500イニング、150勝がプロ2年目に書いた目標。それが頑張れるモチベーション」

  1

オリックス時代の入団3年目から先発ローテーション投手として14年間、腕を振り続けてきた。今季、史上94人目の2000投球回に到達した。地味であるが偉大な記録。現役投手としては、ドラフト3位で入団して2000回を達成したのはこの右腕のみ。ケガを未然に防ぎながら、試合をつくり続けてきた勲章でもある。まさに無事是名馬というところだ。
取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM

14年間先発ローテを守ってきた自負がある。そして目標に向け、来季も多くのイニングを投げていく[写真=宮原和也]


仕事は試合をつくる


 6月21日のDeNA戦(甲子園)の初回を無失点に抑えた西勇輝は、史上94人目の2000投球回を達成した。初登板は2009年9月21日の楽天戦(Kスタ宮城)。16年間、マウンドに上がり続けた証しでもある。通過点の数字だが、到達するためには監督の信頼も必要で、チームに欠かせない存在でないと、このイニングの達成は難しい。イニング数=信頼とも言えるだろう。

──2000投球回を達成しました。

西 はい。無事に到達しました。オリックス時代、コーチだった星野(星野伸之)さんから「2000回投げて一流」と言われていたので、(達成でき)よかったです。

──到達までは短かったですか、長かったでしょうか、どちらでしょう。

西 短かったとは思わなかったです。長く感じました。16年間、大きなケガなく……本当にそこが達成の大きな要因ですね。大きなケガになる前に防止できてきた、という表現が一番ふさわしいです。

──若いときにいろいろなことを考えて、実戦に取り入れ、それが実を結んで、ここまできたと思います。

西 自分が考えていたことが体現できるようになったのは先発ローテをさせてもらってから4年目くらいですね。そこまではいろいろと考えてやっていました。

──先発で4年なら、すでに500イニングは投げています。

西 500回投げたからと言って、その後、10年間投げられるとは限らないです。このときも1年、1年、勝負という思いで投げていました。当時のオリックスは先発陣が確定されてはいませんでしたから。先発メンバーも入れ替わりが激しかったという感じで、そこで1年間勝負という気持ちで投げ続けていました。当時は確実に投げていたのは金子(金子千尋)さんくらいでしたので。

──その中で、自分の投球スタイルを確立していったのですね。

西 もともと自分の投球スタイルもなかったですし、思考の数も少なかった。1年、また1年とローテを守れていく中で、徐々に自分の軸ができてきて、ブレなくなったなあ、と。

──先発ローテを守り続けるプレッシャーや不安というものは出てきましたか。

西 今でも毎試合、マウンドに上がるときは目に見えない不安というのがあるんです。そこと戦いながら・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

この記事はいかがでしたか?

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング