右へ左へ打ち分け、積み上げた安打数は大会ニューレコードに。昨年の明治神宮大会での活躍でドラフト戦線の主役候補に躍り出た。圧倒的なスイングスピードで打球を遠くへ飛ばす強打の内野手。注目度が増す一方、「評価はコロッと変わるので」と気にしない。まだ続く冬の日々。春を待ちわびながら自分自身と向き合っている。 取材・文=小林篤 写真=桜井ひとし、山田次郎 
年末年始は地元・山口県に帰省し心身をリフレッシュ。天気にも恵まれて、2025年が幕を開けた
広角に飛ばす技と力 唯一無二の右打者
雲一つない快晴。早朝の澄んだ空気を吸い込んで、口を開く。
「1回やったことは超えないと満足できないので」
1月15日、東京・八王子市の創価大学ワールドグラウンド。日の出前の朝6時30分から、同大野球部の練習始めが行われた。今秋ドラフト注目の立石正広は、春季リーグへ向けての意気込みを語る。
超えるのは過去の自分だ。地元・山口を離れてスタートした大学生活で頭角を現したのは2年春。東京新大学リーグタイ記録の5本塁打をマークした。打率5割、14打点を挙げる活躍で三冠王に輝き、5季ぶりリーグ制覇の原動力となった。
名を一気に広めたのは昨年11月の明治神宮大会。佛教大との1回戦では初回の2ランを含む3安打2打点。続く富士大戦でも2本の単打を放つと、圧巻は環太平洋大との準決勝だ。3打数3安打1本塁打3打点、2四球を含む全5打席出塁の大暴れ。7回に放った2ランで12対8とリードを広げ、乱打戦に終止符を打った。
決勝で青学大に敗れ、創部50年で悲願の日本一達成とはならなかったが、4試合で2本塁打6打点。10安打は55回大会の歴史において新記録であった。さかのぼれば・・・
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