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日米野球殿堂入り特集 誉れ高きレジェンド イチロー

イチロー(マリナーズほか) アメリカが認めた存在価値「2001年、MLBに挑戦した年に、おそらく地球上で誰も(殿堂入りは)想像はできなかったと思う」

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アメリカの野球殿堂は現地時間1月21日、イチロー氏が99.746%の得票率で有資格1年目での殿堂入りしたことを発表。アジア人初、そして日本人初の偉業となった。同16日には日本でも野球殿堂入りを果たしており、まさに大偉業となった。
写真=Getty Images

2004年、MLB新記録の年間262安打を記録したイチロー。その後のヒットメーカーとしてさまざまな記録をつくり、多くのメジャーファンを魅了し、日本人に勇気を与えた


 2001年以前と以降では、野球用語が変化した。メジャー・リーグに挑戦した初の日本人野手、イチローの織り成す華麗なプレーから、さまざまな記録がつくり出されるたびに、かつて聞いたことがない“専門用語”が日本人の、野球ファンの目に留まっていく。

「マルチ安打」「ヒットメーカー」「レーザービーム」「キャリアハイ」。現在、多くのメディアで当たり前のように発信されているが、これもすべてイチローがマリナーズで大活躍をする中で使用され始めたアメリカの野球用語である。それだけ、日米の野球を近づけた存在であることは間違いない。

 現地時間1月21日、イチローはアメリカの野球殿堂入りに有資格1年目で選出された。1位のリベラ、2位のジータに次ぐ99.746%の高得票率。マリナーズ、ヤンキース、マーリンズのメジャー19年で通算3089安打、509盗塁、生涯打率.311。この数字だけでも殿堂入りに値する成績である。

「2001年、僕が初めてMLBに挑戦した年に、おそらく地球上で誰も想像はできなかったと思うんです。ここまでアメリカで25年、現役は19年ですけども、振り返るとあまりにも多くの出来事があって。いいことだけではありませんでした。苦しいこともたくさんありましたけど、最終的にここに1歩ずつ近づいていった。そして、きょうこの日を迎えられたことは、言葉では言い表せないほどの気持ちです」

日本人野手の評価


 95年、日本人投手として野茂英雄がドジャースに移籍し大活躍。MLB挑戦への門戸を開けた。その後、数々の投手が海を渡ったものの、パワー全盛期のメジャーで、日本人野手は通用しないと思われていた。

 だが、イチローはすべてを覆した。パワーで対抗するのではなく、コンタクトヒッターとして、自分の役割を全うしたのだ。そして、スピードを生かした走塁に守備を駆使し、メジャーの選手たちの中では華奢な体から想像できないほどの強肩を披露し、相手チームからすれば、憎たらしいくらいのヒットを量産してファンを魅了したのだ。

 1年目から242安打、打率.350、56盗塁。最多安打、首位打者、盗塁王を獲得し、新人王、そしてア・リーグMVPを受賞した。まさに・・・

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