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日米野球殿堂入り特集 誉れ高きレジェンド イチロー

<National Baseball Hall of Fame & museum>アメリカ野球殿堂の歴史 ベースボールの原点を辿る場所

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現地時間1月23日、イチローがアメリカ野球殿堂博物館を訪問し殿堂入りの会見を行った。ニューヨークの中心マンハッタンから北北西に進路をとって約300キロ。人口2000人ほどのクーパーズタウンにある。毎年7月下旬に表彰式が行われ、さまざまなイベントもあって多くのファンが押し寄せる。このアメリカ野球殿堂と博物館の歴史について紹介していこう。
文=樋口浩一 写真=Getty Images

1939年に開館した野球殿堂博物館。野球の歴史を後世に伝え、称えるために、さまざまな名選手の逸品を展示している


野球殿堂創設の経緯


 クーパーズタウンに博物館があるのは、1839年にアメリカ陸軍の軍人アブナー・ダブルデーがこの地で野球を考案したとされていたからだ。1905年、人気スポーツとなっていたベースボールの起源を探ろうとの動きが出た。元選手でスポーツ用品メーカーの創設者であるアルバート・スポルディングの下で調査が行われ、07年に前記の「ダブルデー説」が発表され、これが認められたのだった。

 クーパーズタウン出身の実業家スティーブン・クラークが、野球誕生100周年を記念し、貢献した人々を顕彰する野球殿堂博物館の創設を思い立つ。ナ・リーグのフォード・フリック会長(のちにメジャー・リーグコミッショナー)に打診したところ協力を得て実現。1939年の100周年に先駆け、1936年から殿堂入り選手を決める投票が行われた。

 殿堂創設には、観光地にすることで1929年の大恐慌からの不況を乗り越えようという、経済的な理由もあったと言われている。

 のちの研究で1839年にダブルデーがクーパーズタウンにいなかったことが分かり「ダブルデー説」は否定されたが、・・・

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