週刊ベースボールONLINE

ゲームを動かす司令塔 2025捕手最新陣容

ソフトバンク・海野隆司インタビュー 時に我慢強く「堂々と慌てずに、変な欲は出さず、自分のやるべきことをきちんとやる」

  2

甲斐拓也のFA移籍が決まるとともに、その“後釜”の行方はますます注目度を増した。あちらこちらから聞こえる「チャンス」の声が当事者たちを刺激して、気持ちを高ぶらせる。「正捕手」──その座を絶対に、つかみ取る。
取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭

春季キャンプがスタートし、あらためて捕手陣に注がれる強い視線を感じている


要するに「メンタル」


 リーグ連覇、日本一奪還を目指すチームは今、欲している。投手陣を巧みにリードし、勝利へと導く“重要人物”。小久保裕紀監督も今春の最大のポイントに掲げる正捕手争いは、2月1日のキャンプインとともに本格的に火ぶたを切った。昨季、一軍で甲斐拓也に次ぐ51試合でマスクをかぶった海野隆司も、静かに、熱く、闘志を燃やす。

──春季キャンプが始まり、正捕手争いの注目度はさらに増しています。

海野 僕自身もビシビシと感じています。とは言っても、特別に意識をしたり何か変化があるわけでもありません。それでも“見られている”というところでの違いは、例年に比べたらあるのかなとは思います。

──甲斐選手の移籍が決まったときは、率直にどんな思いでしたか。

海野 チャンスがめちゃくちゃ増えるな! とは思いましたね。これまでも拓さん(甲斐)がレギュラーを確約されていない年もありましたし、競争は競争でしたが、どんなときも拓さんが絶対的な存在ではありました。やっぱり、キャッチャーは『信頼』が必要なポジション。それは選手、監督、コーチ、チーム全員を含めて、「コイツになら任せてもいい」というふうに思われないと務まらないポジションなんですよ。そういった意味では、やっぱり拓さんは別格。優勝、日本一も何度も経験していて、日本代表にも何度も選ばれて、そもそも経験、踏んできた場数も全然違います。実力うんぬんよりも、そこはどうやったって、どう頑張ったって追いつくことはできない。キャッチャーのポジションは1つしかないわけですし、その難しさはありましたね。

──経験というところでは、海野選手も昨季、キャリアハイの51試合に出場して、スタメンマスクも38試合ありました。一軍で試合に出続ける中では、どんなことを感じていましたか。

海野 自分が結果を出して(試合に)出ているというよりかは、本当に“出させてもらっている”と感じるところが結構あって。うまいこといかない……本当にそればっかりでした。あらためて、難しいと思っていました。

──どういうときに“出させてもらっている”と感じていたのでしょうか。

海野 結果が出ていないというか、(自分がマスクをかぶった試合で)負け続けていても出させてもらっていましたからね。バッティングに関しても・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

この記事はいかがでしたか?

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング