「この選手の番号は昔、あの選手が着けていたんだ」――。本来は単なる数字に過ぎない背番号というものに、なぜ野球ファンは「物語」を感じるのだろう。大相撲や落語のように師匠へと弟子入りし、名前の継承があるわけではない球界において、唯一それに近い「伝承」の役割を果たすのが背番号だからなのかもしれない。そして永久欠番は、大相撲や落語における「止め名」(栄誉をたたえ、その名前を継承させないこと)みたいなものだと言える。それほど、背番号には意味が込められている。ここでは現在の12球団から各1人、「新しい背番号でのスタート」に臨んでいる人物をピックアップ。それぞれの新背番号に込められている気持ちを、浮き彫りにしてみよう。 ※「2025年の新背番号」の情報は2月6日時点。育成を除く 
あこがれの番号を背負い、キャンプでは華麗な守備を披露している
守備職人の意思を継ぐ。今季から
村林一輝が付ける背番号『6』は、2012~21年まで
藤田一也(現
DeNA二軍ディフェンスチーフコーチ兼内野守備兼ベースコーチ)が着けていたものだ。藤田は高い守備力でチームのピンチを何度も救い、ゴールデン・グラブ賞を3度獲得した名手。13年には開幕から二番・二塁として攻守で持ち味を発揮し・・・
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