週刊ベースボールONLINE

2025プロ野球シーズン展望 熱戦、始まる

<日本一監督の挑戦>DeNA・三浦大輔監督インタビュー リーグ制覇への覚悟「選手、スタッフ、そしてファンが一つのチームとなり、リーグ優勝からの日本一へと向かっていく」

  0

昨季はリーグ3位ながらもクライマックスシリーズ、そして日本シリーズでは厳しい戦いを勝ち抜き、チームを26年ぶりの日本一へと導いた。ただ、すべての目標を達成したわけではない。就任5年目を迎え、選手、そしてチームも成長しつつある。機は熟した──。チーム、そしてファンの心を一つにし、逆境でも反撃する姿勢をとり続け、頂点を目指す戦いに挑むために進化し、首位を奪う。もう、覚悟は決まっている。
取材・構成=早川大介 写真=田中慎一郎、BBM

三浦大輔[DeNA監督/52歳]


5年間の積み重ね


 監督就任1年目はリーグ最下位スタートだったが、そこからチームは成長し、そして昨年は26年ぶりの日本一に。ただ、やり残したことがある。就任5年目のシーズン、目標はリーグ制覇からの日本一だけだ。

 昨年、日本シリーズを制して迎えるシーズンですが、これまでと違う点を挙げるなら、横浜スタジアムにはためく日本シリーズのチャンピオンフラッグの下で戦えるということ。それだけです。選手、コーチ、スタッフ全員が、昨年はリーグ3位だったという事実を決して忘れていません。そこからクライマックスシリーズ、そして日本シリーズへと進む中で、楽な試合など一つもなく、どれも厳しい戦いでした。その中で勝ちきることができたこと、そしてあんなにも多くのファンの方に喜んでもらえたことは、本当にうれしかったです。しかし、それですべてを成し遂げたわけではありません。まだリーグ優勝という大きな目標が残っています。27年間も達成できていませんし、険しい道のりですが、それに対してやりがいを感じています。自分たちは、まだまだです。何も満足はしていない。今はリーグ優勝に向かって、チーム全員が同じ方向を向いていると感じています。

 自分が監督に就任して5年目になりますが、チーム状態は年々良くなっていると感じます。これは戦力面だけの話ではなく、選手、コーチ、スタッフそれぞれが成長し、大人になってきているという意味です。もちろん個人差はありますが、それぞれの立場で自主的に動けるようになりました。選手であれば、練習や試合前の準備など、自ら必要だと思うことを行い、しっかりと準備をして試合に臨んでくれている。グラウンドでプレーする選手たちの意識は、スタッフや球団職員などチーム全体に広がり、全員で戦えるようになってきた。5年前と比べ、チームとしても大人になっています。ただ、あくまで『5年前に比べて』という話です。今が完成形というわけではありませんし、まだまだ変わることができるはず。変わらなくてはいけないと思っています。

 変化という点では、コーチ陣の体制も昨シーズンから変わっています。昨年はオフェンスとディフェンスでコーチを分け、さらに今年は、試合で勝つための戦略を立てるコーチと、選手を育成するコーチの役割を明確に分けました。以前はこうした役割分担が明確ではなく、コーチがすべてを担っていました。しかし、細分化することで、それぞれの役割がより明確になり、そのため監督として確認すべきポイント、部署がハッキリし、分かりやすくなっています。最初はコーチ陣も、どこまで踏み込んでいいのか戸惑う部分もありましたが、初めての試みなので、最初からすべてがうまくいくとは思っていません。自分自身も手探りで確認しながら、コミュニケーションを取りつつ進めています。でも、必ず良い方向に向かっていくと信じています。

 今年のチームスローガンは『横浜奪首』ですが・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

この記事はいかがでしたか?

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング