昨季はリーグ3位ながらもクライマックスシリーズ、そして日本シリーズでは厳しい戦いを勝ち抜き、チームを26年ぶりの日本一へと導いた。ただ、すべての目標を達成したわけではない。就任5年目を迎え、選手、そしてチームも成長しつつある。機は熟した──。チーム、そしてファンの心を一つにし、逆境でも反撃する姿勢をとり続け、頂点を目指す戦いに挑むために進化し、首位を奪う。もう、覚悟は決まっている。 取材・構成=早川大介 写真=田中慎一郎、BBM 5年間の積み重ね
監督就任1年目はリーグ最下位スタートだったが、そこからチームは成長し、そして昨年は26年ぶりの日本一に。ただ、やり残したことがある。就任5年目のシーズン、目標はリーグ制覇からの日本一だけだ。 昨年、日本シリーズを制して迎えるシーズンですが、これまでと違う点を挙げるなら、横浜スタジアムにはためく日本シリーズのチャンピオンフラッグの下で戦えるということ。それだけです。選手、コーチ、スタッフ全員が、昨年はリーグ3位だったという事実を決して忘れていません。そこからクライマックスシリーズ、そして日本シリーズへと進む中で、楽な試合など一つもなく、どれも厳しい戦いでした。その中で勝ちきることができたこと、そしてあんなにも多くのファンの方に喜んでもらえたことは、本当にうれしかったです。しかし、それですべてを成し遂げたわけではありません。まだリーグ優勝という大きな目標が残っています。27年間も達成できていませんし、険しい道のりですが、それに対してやりがいを感じています。自分たちは、まだまだです。何も満足はしていない。今はリーグ優勝に向かって、チーム全員が同じ方向を向いていると感じています。
自分が監督に就任して5年目になりますが、チーム状態は年々良くなっていると感じます。これは戦力面だけの話ではなく、選手、コーチ、スタッフそれぞれが成長し、大人になってきているという意味です。もちろん個人差はありますが、それぞれの立場で自主的に動けるようになりました。選手であれば、練習や試合前の準備など、自ら必要だと思うことを行い、しっかりと準備をして試合に臨んでくれている。グラウンドでプレーする選手たちの意識は、スタッフや球団職員などチーム全体に広がり、全員で戦えるようになってきた。5年前と比べ、チームとしても大人になっています。ただ、あくまで『5年前に比べて』という話です。今が完成形というわけではありませんし、まだまだ変わることができるはず。変わらなくてはいけないと思っています。
変化という点では、コーチ陣の体制も昨シーズンから変わっています。昨年はオフェンスとディフェンスでコーチを分け、さらに今年は、試合で勝つための戦略を立てるコーチと、選手を育成するコーチの役割を明確に分けました。以前はこうした役割分担が明確ではなく、コーチがすべてを担っていました。しかし、細分化することで、それぞれの役割がより明確になり、そのため監督として確認すべきポイント、部署がハッキリし、分かりやすくなっています。最初はコーチ陣も、どこまで踏み込んでいいのか戸惑う部分もありましたが、初めての試みなので、最初からすべてがうまくいくとは思っていません。自分自身も手探りで確認しながら、コミュニケーションを取りつつ進めています。でも、必ず良い方向に向かっていくと信じています。
今年のチームスローガンは『横浜奪首』ですが・・・
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